ニュース速報

ビジネス

米オークツリー、ブラックストーンの豪クラウン買収案に対抗

2021年04月19日(月)16時43分

[19日 ロイター] - 米投資会社オークツリー・キャピタルは、オーストラリアのカジノ運営会社クラウン・リゾーツが創業者のジェームズ・パッカー氏の保有する37%分の株式を30億豪ドル(23億2000万米ドル)で買い戻す計画に資金提供を行うと提案した。

プライベート・エクイティー(PE)大手ブラックストーンのクラウン買収案への対抗策となる。

ブラックストーンは先月、クラウンに対し80億2000万豪ドル(61億3000万ドル)での買収案を提示した。

クラウンは、オークツリーが資金提供の見返りに何を受け取るかは明らかにせず、ブラックストーンの提案とともに検討中としている。

パッカー氏は経営の第一線から退いているが、その大株主としての立場を巡って昨年、当局の厳しい調査が行われた。2月には、マネーロンダリング(資金洗浄)などへの関与が疑われるとして、同社のシドニーでの賭博免許保持に不適格と判断された。

オークツリーの提案では、パッカー氏の影響力が取り除かれ、新型コロナウイルス感染拡大前の水準を下回る価格で会社全体を売却することなく、規制当局の懸念を解消することができる。

パッカー氏側は株の売却を前向きに検討する考えを示しており、取締役会の決定を支持する方針。いずれの提案でも、パッカー氏は約30万豪ドルを得られることになる。

ブラックストーンはカジノ企業を買収し、その不動産資産をスピンオフさせて利益を上げた実績を持つ。ただその買収提案はクラウンの企業価値を過小評価しているとして、多くの投資家が支持していない。

インテリジェント・インベスターのポートフォリオ・マネージャー、ネイサン・ベル氏は、オークツリーの支援を受けたクラウンがブラックストーンの戦略をまねて「自ら同様の戦略を取らない理由はない」と述べている。

一方、ホワイト・ファンズ・マネジメントのマネージング・ディレクター、アンガス・グロッキー氏は、オークツリーのエクスポージャーが限定的な一方で他の株主はそうではない今回の提案について、オークツリーが一部事業の保有を望んでいない、あるいは通常の株主以上のリターンを得ようとしている、との見方を示した。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア軍攻撃で2人死亡、ウクライナ南部オデーサ 港

ビジネス

独IFO業況指数、2月予想以上に上昇 現況・先行き

ビジネス

仏ルノー、商用EV合弁フレクシスを完全子会社化へ

ワールド

ゴールドマン、26年第4四半期の原油価格見通しを引
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 2
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面を突き破って侵入する力の正体が明らかに
  • 3
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中小企業の「静かな抵抗」
  • 4
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 7
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒…
  • 10
    ペットとの「別れの時」をどう見極めるべきか...獣医…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 5
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中