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サムスン電子、第4四半期26%営業増益 今四半期は利益圧迫見通し

2021年01月28日(木)15時54分

韓国のサムスン電子が28日発表した2020年第4・四半期決算は、26%の営業増益となった。写真は、同社製の食器洗い機のロゴ。2020年8月27日にソウル市内で撮影。(2021年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 28日 ロイター] - 韓国のサムスン電子が28日発表した2020年第4・四半期決算は、26%の営業増益となった。21年第1・四半期の見通しについては、堅調な半導体需要、およびスマートフォンの旗艦モデル「ギャラクシーS」の発売前倒しを受け、モバイル機器販売が上向くと予想した。

ただ、通貨および新たな半導体生産ラインに関連したコストの上昇が利益を圧迫する可能性があると警告し、「先行きについては、全体の利益は21年第1・四半期に弱まると見込んでいる」と指摘。「21年については、世界全体の需要は回復するものの、新型コロナウイルス流行の波の再発生の可能性を巡る不透明感は残ると見込んでいる」との見方を示した。

年末配当に加えて10兆7000億ウォン(96億ドル)の特別配当を発表したものの、株式市場のバブルへの不安が高まる中、サムスン電子株は序盤の取引で1.5%安。

チェ・ユンホ最高財務責任者(CFO)は電話会見で、「過去3年間におけるキャッシュ水準の増加は有意義なM&A(企業の合併・買収)活動を行わなかったことが主因だった。向こう3年で意味ある規模のM&A活動を行う公算が大きい」と述べた。

アナリストは、サムスンは未来の車といった分野のM&Aを通じて未来の技術を確保する方針だと指摘。現代自動車証券の研究センター責任者、グレッグ・ロー氏は「次の時代はスマートフォンで差別化できない公算が大きいことから、未来の車に採用できる技術を確保することが見込まれる」と語った。

20年第4・四半期の営業利益は9兆0500億ウォン(81億7 000万ドル)で、前年同期の7兆2000億ウォンから増加。同社が今月示した見通しとほぼ一致した。

ウォン高や新たなチップ生産ラインのコスト、メモリーチップ価格の下落、前期比でのスマホ販売の減少などが重しとなる一方、メモリーチップの好調な販売やディスプレー事業の利益が寄与した。

売上高は3%増の61兆6000億ウォン。純利益は26%増の6兆6000億ウォンとなった。

韓国ウォンは10─12月に対ドルで約7%上昇した。

<DRAMの回復>

サムスンは、短期的に同様の為替環境を見込む一方、半導体メモリーのDRAM市場は、今年上半期中に回復する見通しだとした。

ケープ・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Park Sung-soon氏は「DRAM価格は第1・四半期に予想をはるかに上回って上昇するとみられる。サーバー顧客が昨年上半期の新型コロナ流行第1波時に積み上げた在庫を使い果たし、再び購入し始めるためだ」と述べた。

サムスンの20年設備投資額は半導体向けの32兆9000億ウォンを含め38兆5000億ウォン。生産設備を拡大する中で半導体契約製造向け投資が増えた。同社によると、メモリーチップは生産拡大と先端プロセス向けで支出が大きく伸びた。

アナリストらによると、第4・四半期のディスプレー部門利益は予想を上回った。米アップルの新iPhone向けパネル供給により、有機EL(OLED)パネル生産設備の同四半期中の稼働率が100%近くで維持されたためという。

サムスンは3年間の株主還元政策を公表。21─23年に普通配当の年間総額を9兆8000億ウォンに増やす。これまでの3年間と同様、期間中に得られたフリーキャッシュフローの50%を支払い続ける。

*CFOとアナリストのコメントを追加しました。

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