ニュース速報

ビジネス

NY外為市場はドルが4カ月ぶり高値から下落、リスク選好が改善

2020年02月12日(水)07時15分

 2月11日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで前日に付けた4カ月ぶり高値から下落。中国の新型コロナウイルス懸念を受けた安全資産買いが一服し、リスク選好が改善した。2010年8月撮影(REUTERS/Yuriko Nakao)

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで前日に付けた4カ月ぶり高値から下落。中国の新型コロナウイルス懸念を受けた安全資産買いが一服し、リスク選好が改善した。

米株市場では、S&P総合500種とナスダック総合が最高値を更新。感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏がロイターのインタビューに応じ、中国国内における新型コロナウイルスの流行が2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性があると予想した。

CIBCキャピタル・マーケッツの為替戦略北米主任のバイパン・ライ氏は「過去数日の株式市場での取引と為替市場の動きは少しちぐはくだ。ある程度、為替側の動きに追いつく様子が見られる」と述べた。

経済指標から米経済見通しがユーロ圏より堅調との見方が強まる中、新型肺炎を巡る経済的影響への懸念から、このところドル買いが進んでいた。また、為替市場全体のボラティリティーが低い状態が続き、ユーロやスイスフランなど利回りの低い通貨を借りて、ドルなどの高金利通貨を買うキャリートレードの動きにつながったこともドル高の背景。

ユーロは一時、昨年10月1日以来となる1.0892ドルまで下落。その後は1.0923ドルで推移した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11日に行った半期に一度の議会証言で、米経済は良い位置にあるとし、経済見通しに対し前向きな見方を示した。同時に、中国が発生源となっている新型コロナウイルスの感染拡大のほか、米経済の長期的な健全性に対する懸念を表明した。

この日発表の昨年12月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数(季節調整済み)が642万3000件と、2017年12月以来の低水準となった。レイオフ・解雇件数は増加し、このところの雇用増の加速が持続可能でない公算が大きいことが示された。

ドル/円 NY終値 109.77/109.80

始値 109.85

高値 109.96

安値 109.74

ユーロ/ドル NY終値 1.0914/1.0918

始値 1.0911

高値 1.0924

安値 1.0892

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米航空当局、リチウムイオン電池の機内持ち込みで注意

ビジネス

髙島屋と阪急阪神百貨店が業務提携を深化 「環境変化

ビジネス

午前の日経平均は反発、米株高を好感も見極めムードで

ワールド

南ア大統領、米に貿易担当を派遣 正式交渉へ準備
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題」』に書かれている実態
  • 3
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒否した母親、医師の予想を超えた出産を語る
  • 4
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 5
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 6
    ドイツAfD候補者6人が急死...州選挙直前の相次ぐ死に…
  • 7
    もはやアメリカは「内戦」状態...トランプ政権とデモ…
  • 8
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にす…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 4
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中