アングル:FRB次期議長指名手続きが異例の遅れ、高まる不透明感
写真はケビン・ウォーシュ元FRB理事。2025年5月、パロアルトで撮影。REUTERS/Ann Saphir
Ann Saphir
[27日 ロイター] - トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の後任にケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名すると発表してから4週間が経過した。しかし、上院への正式な指名に関する書類の提出はまだ行われていない。この遅れは前例がないわけではないが、一般的でもなく、指名・承認プロセスの不確実性が高まっている。
FRB議長職や理事会の他のポストを含め、ホワイトハウスの発表から上院への書類提出まで4週間以上を要したケースは、2010年以降2件しかない。
今回手続きが長引いている理由は明らかでない。ただ、共和党のトム・ティリス上院議員は、ワシントンのFRB本部の改修を巡る議会証言に関して、パウエル氏への司法省の捜査が続く限り、あらゆるFRB人事の指名を阻止すると明言している。
予測会社LHマイヤーのアナリスト、デレク・タン氏は「ウォーシュ氏の指名が全く前進していないことは奇妙だ」と指摘し、「ホワイトハウスはティリス氏の阻止を乗り越える見通しが立っていないようだ。ティリス氏はパウエル氏に対する捜査が決着しない限り、上院銀行委員会でFRBの候補者を通過させないという立場だ」と述べた。
ホワイトハウスのデサイ報道官は、「ホワイトハウスはウォーシュ氏を次期FRB議長として迅速に承認するため、上院と引き続き協力している」と述べた。また、ウォーシュ氏はFRBの意思決定における能力と信頼を回復するのに適任だと強調した。
ベセント財務長官によると、上院銀行委員会はウォーシュ氏が正式指名され次第、承認公聴会を進めることで合意している。同委員会の共和党議員はティリス氏を含め、ウォーシュ氏が十分な資格を備えた適任者だと評価している。
しかし、ウォーシュ氏の指名を上院本会議の審議に進めるにはティリス氏の賛成が必要となる。委員会での共和党の多数は僅差で、民主党が結束して反対した場合は覆せない。
<迫る日程>
パウエル氏の任期は5月15日に満了する。残り11週間は現職のFRB理事の多くが指名から上院承認に至るまでに要した期間より短い。
もっとも、日程が決定的に窮屈というわけでもない。上院は昨秋、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長だったスティーブン・ミラン氏をFRB理事としてトランプ氏が指名してから2週間足らずで承認手続きを完了させている。
ただ、承認が長引けば、利下げの本格的な議論が初めて行われると見込まれる6月16日―17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、ウォーシュ氏自身もFRBも不安定な状態に置かれることになる。
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