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米求人件数、10月は小売中心に回復 解雇件数急減
12月17日、米労働省が発表した10月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月の1年半ぶりの低水準から回復したほか、レイオフ・解雇件数が大きく減少した。求人は主に小売業で増加。金融業や製造業でも増加し、労働需要を巡る懸念が緩和する可能性がある。写真は2017年5月、ボストンで(20119年 ロイター /Brian Snyder)
[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日に発表した10月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月の1年半ぶりの低水準から回復したほか、レイオフ・解雇件数が大きく減少した。求人は主に小売業で増加。金融業や製造業でも増加し、労働需要を巡る懸念が緩和する可能性がある。
10月は求人件数(季節調整済み)が726万7000件と、前月から23万5000件増加。求人率も4.6%と、前月の4.4%から上昇した。
9月の減少分(26万9000件)すべてを取り戻すことはできなかったものの、小売業で12万5000件増加し、全体が押し上げられた。このほか金融・保険業で5万6000件、耐久財製造業で5万件、それぞれ増加した。
ジップ・リクルーターの労働エコノミスト、ジュリア・ポラック氏は今回の結果について「労働需要は枯渇しつつあるとの懸念の解消につながる」と指摘。「求人件数は大きく減少することはなく、むしろ約1年間にわたり安定的に推移したようにみる」と述べた。
求人件数は2018年終盤に763万件とピークを付けた後、今年に入ってからは減少傾向にあった。
ただ10月は採用件数が576万4000件と、前月から18万7000件減少。採用率も3.8%と、前月の3.9%から低下した。
労働省が今月6日に発表した11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から26万6000人増と予想の18万人を超えて増加し、伸びは10カ月ぶりの大きさになった。[nL4N28G391]10月の雇用動態調査で求人件数の回復が確認されたことで、米国の雇用の伸びは11月の雇用統計で確認された通りに堅調に推移する可能性がある。
インディード・ハイアリング・ラボのエコノミスト、ニック・バンカー氏は「労働需要の減少局面は終わりに差し掛かっている可能性がある。来年は求人件数は増加していくと予想される」と述べた。
10月の自発的な離職件数は351万2000件と、前月から4万1000件増加。自発的な離職率は2.3%と、前月から横ばいだった。自発的な離職率は労働市場における信頼感の水準を見極めるために政策担当者やエコノミストが注目している。
レイオフ・解雇件数は176万9000件と、前月から20万2000件減少。国勢調査終了に伴い連邦政府によるレイオフ・解雇が増加したものの、宿泊・飲食サービス業などで減少した。レイオフ・解雇率は1.2%と、1.3%から低下した。