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トランプ大統領、FRBに利下げ継続要求 「米の競争力阻害」

2019年11月01日(金)07時53分

トランプ米大統領は31日、連邦準備理事会(FRB)に利下げ継続を要求するとともに、FRBの政策が米国の競争力を阻害していると批判した。シカゴで28日撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 31日 ロイター] - トランプ米大統領は31日、連邦準備理事会(FRB)に利下げ継続を要求するとともに、FRBの政策が米国の競争力を阻害していると批判した。

FRBは前日までに開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き下げる一方、今後利下げを休止する可能性を示唆した。[nL3N27F4UG]

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ドル相場は米国の製造業を痛めつけている。ドイツや日本などよりも金利を下げるべきだ。われわれは、圧倒的に最大で最強の国だが、FRBは米国を競争で不利な立場に追い込んでいる。われわれの問題は中国ではなく、FRBだ!」と主張した。

さらに「人々はパウエル議長とFRBに大きな失望を感じている。FRBの政策は早過ぎもしくは遅過ぎで、初めから間違っていた」と批判した。

日本や欧州はマイナス金利を導入している。米国ではFRBが7月以降利下げを継続しているが、それでも金利は1.50ー1.75%と、1%を上回る。米国では個人消費が底堅く推移し、失業率も約50年ぶりの水準に改善。パウエルFRB議長は最近の利下げ対応が将来に対する「保険」であることを明確に説明している。

テンパスのディーリング・トレーディング部門のバイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は、FRBが他の中銀よりもさらに大幅かつ迅速な利下げに踏み切ったとしても、「貿易戦争による世界的な景気減速がドルを押し上げている」とし、「ブレグジット、香港、北朝鮮、トルコなどの問題があり、ドルを押し上げる多くの地政学面での懸念がある」と指摘した。

FRBの利下げでドルを押し下げるのは「現実的に可能だとは思わない」とし、「3度の利下げにも関わらずドル相場は依然堅調だ。トランプ大統領がドル高を望んでいないことは理解できる。ただ、トランプ氏がその解決策を探しているのであれば、内側に目を向け、貿易戦争とそれを取り巻く不確実性を終わらせることを模索すべきだ」と説明した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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