ニュース速報

ビジネス

ソニーが営業利益予想を引き上げ、画像センサー伸張 スマホ多眼化で

2019年10月30日(水)17時46分

 10月30日、ソニーは2020年3月期の連結営業利益予想(米国基準)を前年比6.1%減の8400億円に上方修正したと発表した。写真は2016年1月、都内のソニー本社のロゴ(2019年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 30日 ロイター] - ソニー<6758.T>は30日、2020年3月期の連結営業利益予想(米国基準)を前年比6.1%減の8400億円に上方修正したと発表した。従来予想は8100億円だった。イメージセンサー(画像用半導体)などの伸長が、ゲームやテレビの伸び悩みを補う見通し。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均値8470億円とほぼ同水準となった。

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高予想を1兆0400億円(従来予想は9900億円)に、営業利益予想を2000億円(同1450億円)に、それぞれ引き上げた。会見した十時裕樹・最高財務責任者(CFO)は、スマ―トフォンに複数カメラを搭載する傾向があり、「時間を経るごとに多眼化したスマホのラインアップが増えている」と要因を説明した。その分、イメージセンサーの需要が高まっている。

ソニーは、イメージセンサーの新工場を長崎県に建設することも明らかにした。スマホの多眼化のほか、暗所で明るく撮影したり動画のクオリティーを高めるためイメージセンサーの大判化といったトレンドがあると説明し、「ウエハーに対する需要が高く、対応する」と述べた。

20年度までの中期経営計画で、イメージセンサー分野で7000億円投資する計画を示していたが、数百億円増加する可能性があるとした。21年からの中計で予定していた投資を前倒しする可能性があるという。

19年4─9月期のI&SS分野の売上高は前年同期比22%増の3107億円、営業利益は59%増の764億円で、いずれも四半期として過去最高。

一方、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)の営業利益予想は2400億円(従来予想は2800億円)に引き下げた。十時CFOは、自社制作ゲームソフト「ザ・ラスト・オブ・アス・パート2」の発売時期が来年度にずれ込むことが最大の要因だとした。エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)の営業利益予想も1110億円(同1210億円)に引き下げた。

家庭用ゲーム機「プレイステーション4」(PS4)ハードやテレビ、スマートフォンの販売計画は下方修正した。PS4の販売予想は7月時点の予想の1500万台から1350万台に、テレビを1050万台から1000万台に、スマホを400万台から350万台に、それぞれ引き下げた。

売上高は8兆4000億円へ2000億円下方修正した。I&SS分野と音楽分野の見通しを上方修正したが、G&NS分野、EP&S分野、映画分野の売上高の見通しを下方修正した。

下半期の前提為替レートは1ドル108円前後、1ユーロ118円前後。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏関連資料、司法省サイトから削除か エプス

ワールド

北朝鮮、日本の核兵器への野心「徹底抑止」すべき=K

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ

ワールド

アングル:トランプ政権で職を去った元米政府職員、「
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中