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中国、安定的で健全な経済発展の達成で困難に直面=発改委主任
8月29日、中国国家発展改革委員会(NDRC)の何立峰主任は、安定的で健全な経済発展の達成で外的困難さが増しているとの認識を示し、下期は消費や社会発展の目標達成に向けて取り組みを強化する必要があると強調した。写真は6月山東省で撮影(2018年 ロイター)
[北京 29日 ロイター] - 中国国家発展改革委員会(NDRC)の何立峰主任は28日、安定的で健全な経済発展の達成で外的困難さが増しているとの認識を示し、下期は消費や社会発展の目標達成に向けて取り組みを強化する必要があると強調した。
NDRCが29日、ウェブサイトで明らかにした。
主任は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会で、「経済成長、雇用、インフレ、輸出入の目標は努力によって達成が可能」としつつ、「ただ消費、社会融資総量、可処分所得の伸びの目標達成に向けて一段の努力が必要だ」と述べた。
困難さが増している原因については、経済の長期的な構造上の課題と外的環境によるリスクを指摘した。
ここ数カ月間の経済指標によると、中国では投資の伸びが鈍化。小売売上高や可処分所得の伸びも引き続き低調で、経済全体が冷え込み始めている。
今年通年の小売売上高の伸び率目標は昨年と同じ10%だが、年初からこれまでに達成したのは1カ月のみ。
キャピタル・エコノミクスの中国担当上級エコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏は「今年下半期に逆風が強まり、一部の目標の達成が危うくなる」と予想した。
ただ同氏は「当局が緩和方向に決定的に舵を切ったとはきょうの発表から読み取れない」と指摘し、「デレバレッジと経済成長目標達成という2つの目標の葛藤は、まだ解消されていないと思う」と述べた。
米国の輸入関税が成長見通しに影を落としていることもあり、こうした中で中国の政策担当者は、政策の軸足を成長に対するリスクの低減にシフトしている。
ただ一方では、相次ぐ景気刺激策や金融の緩和により、債務リスクの削減に向けた中国政府の取り組みが後退しているのではないかとの懸念も強まっている。
何主任は、中国が金融リスクの軽減と債務削減に向けた取り組みを続けていくが、そのペースと度合いはコントロールしていくとし、「中国は不動産市場の問題を解決し、不動産価格の上昇を断固抑制しようと決意している」と強調した。
また、雇用を守ることが引き続き優先課題であり、当局は輸入品の市場の需給と物価動向を注視しているとも述べた。
貿易については、輸出市場の多様化を検討し、輸入を拡大すべきとの考えを示した。
*内容を追加しました。