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英経済の低迷は一時的と確信=カーニー中銀総裁

2018年07月06日(金)00時28分

[ニューカッスル(英国) 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は5日、年初の英経済の低迷は悪天候を反映したものであるとの確信を強めたとの見解を示した。

またインフレ圧力は中銀の予想通り引き続き強まっており、経済のスラック(緩み)がほぼなくなっているという証拠が存在しているとした。

カーニー総裁の景気やインフレに関する認識を受けて、ポンドは対ドルで一時上昇、7日ぶり高値を付けた。一方、対ユーロでは軟調となった。

ポンド相場について、MUFGは「英国での循環的な勢いの改善がポンドの上げにつながっておらず、ブレグジット(英国のEU離脱)を巡る不透明感の強まりが目先、相場の下押しとなるだろう」と指摘した。

総裁は講演で、「全体的に、最近の国内データは、英景気動向が5月のインフレ報告書の見通しにおおむね沿っていることを示唆している」と述べた。

トランプ米大統領の英国訪問を1週間後に控え、米国の関税拡大やそれに対する各国の報復措置に言及し、保護主義的なセンチメントが増大していると指摘。世界の貿易を取り巻く「敵対的かつ不安定な」環境が世界経済の活動を抑制している兆しがあるとし、長期にわたって貿易戦争が起こった場合、生産性の伸びが鈍化し、貿易が減少することによって経済損失が発生するだろうとした。

英国の欧州連合(EU)離脱について、円滑な移行という英中銀の予想に変わりはないとするものの、不確実性が投資を冷やしていると指摘した。

総裁は、企業が、手続きの変更によって、サプライヤーの変更や新たな顧客開拓を迫られるのかどうかや、生産を拡大すべきか一部事業から撤退すべきか、と迷い続けている、と述べた。

講演後、家計が年内の利上げを予想するのは正しいか、と問われた総裁は、各種調査で4分の3の家計が「来年にかけて」、「若干の、さほど大幅でない」金利の上昇を予想していることが明らかになっていることを挙げて、そうした予想を概ね妥当とみていると述べた。

*情報を追加しました。

ロイター
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