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ドル109円前半、ユーロ急反落 欧州政治混乱を警戒

5月29日、午後3時のドル/円は、前日東京市場の午後5時時点からドル安・円高の109円前半。一時108.91円まで下落し、5月8日以来3週間ぶり安値をつけた。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)
[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日東京市場の午後5時時点からドル安・円高の109円前半。一時108.91円まで下落し、5月8日以来3週間ぶり安値をつけた。イタリアやスペインの政治的な不透明感を警戒するユーロ安が目立っている。
ユーロは前日東京市場の上昇から一転、海外市場で売りが強まった。イタリアのマッタレッラ大統領は、国際通貨基金(IMF)元高官のカルロ・コッタレッリ氏を暫定首相に指名。ユーロ懐疑派の閣僚を含む内閣の発足は回避されたが、再選挙後に大衆迎合主義などを掲げる政党が勢力を一段と拡大させるのではないかとの懸念が強まったという。
前日東京市場で1.16ドル半ばから1.17ドル台へ上昇したユーロは、欧州時間の取引で1.16ドル前半まで100ポイント超急反落。昨年11月以来半年ぶりの安値をつけた。
欧州株安によるリスク回避の円高圧力が加わったユーロ/円も、急速に下落。きょう午前に126.52円と昨年6月以来11カ月ぶりの安値をつけた。前日夕方の高値から2円の円高となった。
イタリアのみならず、スペインの政治不安もユーロ安の一因とする声が出ている。スペインでは野党が提出したラホイ首相の不信任決議案の採決が6月1日に行われることが決まった。
市場では「最悪の場合、今秋にイタリアとスペインでダブル総選挙という懸念まで浮上している」(みずほ銀行)という。
<ユーロ安、対ドルより対円で加速か>
通貨オプション市場では、一段のユーロ安への警戒感が強まっている。
ロイターデータによると、ユーロ/円の予想変動率は1カ月物で9.2%付近と、5日続騰で3月5日以来ほぼ3カ月ぶりの高水準へ到達した。
対ドルでは7.8%付近とまだ直近の高水準を上抜けておらず、リスクオフ的なユーロ安が対ドルより対円で進行しやすい可能性を示している。
ドル/円
午後3時現在 109.08/10 1.1629/33 126.87/91
午前9時現在 109.39/41 1.1624/28 127.17/21
28日午後5時 109.45/46 1.1695/96 128.00/04
(為替マーケットチーム)