ニュース速報

ビジネス

米4月小売売上高0.3%増、伸び鈍化も2カ月連続増 ガソリン高は重し

2018年05月16日(水)00時54分

5月15日、4月の米小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増から伸びが鈍化し、市場予想と一致した。写真は2011年11月、シカゴのターゲット店舗で撮影(2018年 ロイター/John Gress)

[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した4月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増(上方改定)から伸びが鈍化し、市場予想と一致した。

ガソリンの値上がりが裁量支出を抑制したものの、緩やかな伸びを維持し、1、2月の急激な落ち込みから勢いを取り戻しつつある兆候を示唆した。前年同月比は4.7%増だった。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「安定的な消費支出を背景に、米連邦準備理事会(FRB)は緩やかなペースでの利上げ軌道を維持することが可能となり、次回利上げは6月となる公算が大きい」と語った。

自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高は前月比0.4%増。3月の数字は当初発表の0.4%増から0.5%増へ上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。米経済の3分の2以上を占める消費支出は第1・四半期に急減速し、伸び率は年率で1.1%増と5年近くぶりの弱さだった。税還付の遅れが影響したとみられる。また、エコノミストらは、2017年末に立て続けにハリケーンが直撃した後の復興作業で消費が17年第4・四半期に前倒しされたという。第1・四半期GDPは年率2.3%増だった。

このところガソリン価格が上昇しており、値上がりが続けば所得税が下がったことによる消費支出の押し上げ効果は抑制される可能性がある。

JPモルガンのマイケル・フェローリ氏は「今後ガソリン価格高が消費者への重しとなる見通しだ」と指摘。米エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン価格は1ガロン=3ドル近くまで上昇している。対イラン経済制裁の決定で原油相場が上昇していることもあり、ガソリン価格は今後高止まりする公算が大きい。

4月の小売売上高の内訳は、自動車が0.1%増。3月は2.1%増加していた。ガソリンスタンドは0.8%増。ガソリンの値上がりを反映した。消費者にとってガソリン支出が増えたことを背景に、外食は0.3%減と、17年2月以来の大幅な落ち込みとなった。運動・娯楽は2カ月連続で0.1%減少した。電子・家電も0.1%減だった。

家具は0.8%増。3月は1.4%増加していた。建材は0.4%増。衣料は1.4%増と、17年3月以来の大幅な伸びだった。オンライン小売りは0.6%増加した。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されずに「信頼できない人」を見抜く方法
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中