ニュース速報

ビジネス

米2月耐久財コア受注は1.8%増、予想上回る 出荷が高い伸び

2018年03月24日(土)01時13分

3月23日、米民間設備投資の先行指標とされる2月のコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)受注は前月比1.8%増と、市場予想の0.8%増を大幅に上回った。写真は2月、イリノイ州のメタル・ボックス・インターナショナルの製造施設で撮影(2018年 ロイター/Timothy Aeppel)

[ワシントン 23日 ロイター] - 米商務省が23日発表した2月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.8%増と、市場予想の0.8%増を大幅に上回った。5カ月ぶりの大幅な伸びだった。

前月まで2カ月連続で落ち込んでいた。1月は0.4%減だった。

2月の前年同月比は7.4%増だった。

国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比1.4%増と、2016年12月以来の大幅な伸びとなった。1月は0.1%増だった。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米経済の成長余地が底を尽きつつあるとの観測が台頭しているが、コア耐久財受注の伸びは景気後退(リセッション)リスクを抑制する」と述べた。

半面、貿易戦争の脅威が設備投資削減の動きにつながる可能性があるとの懸念も聞かれる。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「不透明性は設備投資を圧迫する。現在の経済環境を取り巻く大規模な不透明性は、米国の関税措置が世界の貿易体制に及ぼす予測不能な脅威だ」と語った。

2017年は、企業が大幅な法人税引き下げを見込む中で設備投資が底堅く伸びた。トランプ米大統領は18年1月に法人税を35%から21%へ引き下げた。

コア資本財受注が2月に大幅に伸びたことは、設備投資が今後も増えることを示唆する。底堅い景況感や世界経済の加速、ドル安が米国の輸出を押し上げており、設備投資を促す要因となっている。結果として米経済の約12%を占める製造業の追い風となっている。

また、コア資本財の出荷が底堅かったことで、第1・四半期に弱含んだ個人消費の影響を相殺するかもしれない。アトランタ連銀は第1・四半期GDPの予測を年率で1.8%増としている。2月28日に発表された17年第4・四半期GDP確報値は2.5%増だった。

バークレイズのエコノミストも、第1・四半期の米GDP伸び見通しを0.1%ポイント引き上げ1.9%とした。JPモルガンは、第1・四半期の設備投資の伸び見通しを5%から7%に引き上げた。

2月の資本財受注の内訳は、機械が1.6%増。一次金属や電機・家電も増えた。一方、電算機・電子製品は0.2%減だった。

全体としての耐久財受注は前月比3.1%増だった。耐久財はトースターから航空機まで、3年以上使われるモノを指す。輸送機器が7.1%増加し、全体水準を押し上げた。1月の耐久財受注は3.5%減だった。

米航空機大手ボーイングのウェブサイトによると、同社の2月の航空機受注は30件と、2月の28件からやや増加した。

自動車・同部品は1.6%増。1月は0.1%増だった。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

G20、米利下げ観測後退で債務巡る議論に緊急性=ブ

ビジネス

米EVリビアンが約1%人員削減発表、需要低迷受け今

ビジネス

USスチール買収計画の審査、通常通り実施へ=米NE

ビジネス

企業の資金需要DIはプラス4、経済の安定推移などで
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中