ニュース速報

ビジネス

ドル104円後半、午前の売り買い一巡後は様子見

2018年03月23日(金)15時40分

 3月23日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の104円後半。心理的節目の105円を割り込んだことで市場参加者の目線が下方向を向いた。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[東京 23日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の104円後半。心理的節目の105円を割り込んだことで市場参加者の目線が下方向を向いた。売り買いが一巡した後は様子見が強まったものの、海外時間の一段の下落が警戒されている、

午後、日経平均が1000円超える下げとなる中、ドルは104円後半で下げ渋った。企業や個人投資家は朝方に取引を終え、午後は小休止ムードとなったという。

市場からは「単なる貿易の問題というより、米国を中心とする世界秩序の崩壊が想起され、ドルは買えない状況になっている」(運用機関ファンド・マネージャー)との声が聞かれた。欧州時間は、朝方の安値104.63円がいったんの下値めどとなり、これを下回れば104円ちょうどがターゲットになる。

一方、上値はこれまでサポートと意識されていた年初来安値105.24円レベルがレジスタンスに切り替わった可能性がある。まずはこの水準を上抜けできるかが焦点となる。

<午前のドルは1年4カ月安値に下落>

午前のドルは早朝に付けた高値105.45円から、104.63円まで下落。米大統領選が行われた2016年11月以来約1年4カ月ぶりの安値を付けた。

その後、国内輸入企業などから大きめのドル買いが観測され、105.09円まで反発したが、株価が下げ幅を拡大する中、105円台の定着に失敗した。

日本の個人投資家についても午前は売り買いが交錯していたという。

午前は、菅義偉官房長官が閣議後会見で、為替の安定が重要だとし、政府として引き続き緊張感を持って動向を注視すると述べた。相場の反応は限定的だったものの、さらに円高が進行した場合は、政府や当局者などから強めのけん制発言が出てくる可能性がある。

ドル/円の下落は、トランプ米大統領が最大600億ドル規模の中国製品に対して関税を課すことを目指す覚書に署名したことや、国家安全保障問題担当の大統領補佐官を解任し、強硬派のジョン・ボルトン氏を後任に充てると表明したことなど、米国発のリスクが警戒されたことが要因となった。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 104.78/80 1.2329/33 129.21/25

午前9時現在 104.94/96 1.2322/26 129.33/37

NY午後5時 105.26/29 1.2300/03 129.60/64

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中