ニュース速報

ビジネス

黒田日銀総裁、政府は続投の方針 月内国会提示へ=関係筋

2018年02月13日(火)23時56分

 2月10日、政府は次期日銀総裁人事について、4月8日に5年間の任期満了を迎える黒田東彦総裁(写真)を続投させる方針を決めた。関係筋が10日、明らかにした。2017年、都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 10日 ロイター] - 政府は次期日銀総裁人事について、4月8日に5年間の任期満了を迎える黒田東彦総裁(73)を続投させる方針を決めた。関係筋が10日、明らかにした。

大規模緩和によって日本経済をデフレとはいえない状況まで回復させた手腕に対する安倍晋三首相の信頼は厚く、黒田氏の続投がアベノミクスの継続と市場の安定に不可欠と判断した。

日銀総裁を5年以上、務めるのは第20代の山際正道氏(1956─64年)以来。次の5年を全うして10年間となれば、かつて「法王」と呼ばれた18代の一萬田尚登氏の8年6カ月を超え、最長となる。

政府は早い段階から黒田氏の続投を模索してきた。安倍首相は、黒田氏について「手腕を信頼している」、「期待に応えていただいている」などと高く評価しており、続投が「アベノミクスの継続によってデフレからの脱却を実現するという政権の強い意志をあらためて示す象徴になる」(政府筋)と判断したとみられる。

日銀が目指す2%の物価安定目標はいまだに実現していないが、日本経済は雇用情勢が大きく改善し、好調な海外経済を背景に内外需バランスのとれた成長が続いており、安倍政権が目指すデフレからの脱却も視界に入りつつある。

また、日米欧など主要国の中央銀行の金融政策運営を巡り、最近の金融市場は神経質な展開が続いている。2月に入り、米国の金利上昇を背景に世界的に株価が乱高下するなど、これまで長く続いてきた好景気・低インフレという適温経済に変調の兆しもみられており、政策運営のかじ取りは複雑さを増している。 

黒田氏のこれまでの金融政策運営能力や、財務省・財務官、アジア開発銀行(ADB)総裁などを歴任してきた国際金融における豊富な知見と人脈が「市場安定には欠かせない」(先の政府筋)ことも安倍首相の決断を後押ししたとみられる。  

政府は、3月19日に任期を迎える岩田規久男(75)、中曽宏(64)の両副総裁の後任人事も合わせて調整しており、2月中にも正副総裁セットで同意人事案を国会に提示する予定。

副総裁には岩田氏と同様に、大規模な金融緩和によってインフレ期待を高め、緩やかな物価上昇の実現を目指す「リフレ派」と、中曽氏に続く日銀出身者を中心に人選が進められているもようだ。

日銀の次期正副総裁候補は、国会同意人事として衆参両院に提示される。就任には、両院の議院運営委員会における所信聴取を経て、それぞれの本会議で過半数の同意を得る必要がある。現在は両院で与党が多数を占めており、政府案が可決される可能性が大きい。

正副総裁は執行部として、最高意思決定機関である政策委員会を構成する。同委員会のメンバーは総裁1人、副総裁2人のほか、審議委員6人の計9人。当面の金融政策運営の方針などを決める金融政策決定会合は年8回定例開催され、総裁が議長を務める。

*10日配信した記事本文中の誤字を修正しました。

(日銀総裁人事取材グループ 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ビジネス

米ゼロックス、第3四半期利益が予想上回る 株価上昇

ビジネス

マクドナルド、第3四半期は海外好調で米の鈍化補う 

ビジネス

欧州委、イタリア予算案を拒否 3週間以内の再提出求

ワールド

シリアで拘束とみられる安田さん解放か、政府が確認中

MAGAZINE

特集:ケント・ギルバート現象

2018-10・30号(10/23発売)

人気の「外タレ」からヒット連発の保守論客へ── 「ケント本」ブームの背景にある日本の断層線

人気ランキング

  • 1

    ここまで分かった「学習」の科学 繰り返し読む、蛍光ペンでマーク...意味ある?

  • 2

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度と戻らない状態に

  • 3

    9割の食塩にプラスチック片、成人1人当たり年間2000個が体内に

  • 4

    背景には「中国製造2025」──習近平による人民の対日…

  • 5

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を…

  • 6

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 7

    心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で…

  • 8

    ドイツで潰えたグリーン電力の夢

  • 9

    世界で昆虫が急速に減少していることがわかった──プ…

  • 10

    「ありえないほどかわいい」羊に世界中から引き合い…

  • 1

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査

  • 2

    ムスリム世界が「同胞」ウイグルの悲劇を無視する訳

  • 3

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度と戻らない状態に

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    ドイツで潰えたグリーン電力の夢

  • 6

    心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で…

  • 7

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 8

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 9

    宇宙からのメッセージ!? 11光年先の惑星から謎の信号

  • 10

    ここまで分かった「学習」の科学 繰り返し読む、蛍…

  • 1

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はいま......

  • 2

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右する:大規模調査

  • 3

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 4

    ペンギンの同性カップル、両親からひなを誘拐

  • 5

    発見した研究者が我を忘れるほど美しい、新種の魚「…

  • 6

    「ありえないほどかわいい」羊に世界中から引き合い…

  • 7

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 8

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 9

    韓国を訪れる日本人観光客、再訪率は高いが満足度は…

  • 10

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
「♯レゴのすべて」投稿キャンペーン
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!