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G7閉幕、保護貿易「懸念かなり解消」と財務相 サミットに期待

2017年05月14日(日)01時10分

 5月13日、麻生太郎財務相は、イタリア南部バリで開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見し、保護貿易への懸念が「かなり解消した」との見方を示した。13日撮影の同会議出席者の集合写真(2017年 ロイター/Alessandro Bianchi)

[バリ(イタリア)/東京 13日 ロイター] - 麻生太郎財務相は13日、イタリア南部バリで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見し、保護貿易への懸念が「かなり解消した」との見方を示した。その上で、月末のG7首脳会議では、自由貿易が経済の発展に貢献した歴史を踏まえた声明が採択されると見通した。

今回のG7財務相会合では、均衡ある成長に向けてあらゆる政策を駆使することなどを柱とした共同声明を採択した。為替を巡っては「無秩序な動きは経済の安定に悪影響を与え得る」ことを再確認した。

貿易面では「経済への貢献を強化する」と、3月の20カ国・地域(G20)会合の文言を踏襲するにとどめ、明確な反保護主義を掲げるには至らなかった。

ただ、麻生財務相は会見で「保護貿易の色が強くなるのではという話が出ていたが、そうした面はかなり解消したのではないか」と述べ、米国のムニューシン財務長官の貿易についての発言も「従来と違うわけではないという方向性がかなり明確に見えてきた」と指摘。

26日から開催されるG7首脳会議では「従来の自由貿易が国の経済を繁栄させてきた」との歴史的背景が評価されると見通した。

麻生財務相は前日の記者会見で「米国の政策の不確実性が高いことは確か」との懸念を表明していたが、会議を通して「方向性は確実なものが見えつつある」との見解に至った。財務相同行筋は、米国の金融政策に加え「一番不透明性が残っているのは税制改革だ」と説明した。

(梶本哲史、梅川崇)

ロイター
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