ニュース速報

ドル108円付近、6週間ぶり高値圏でECB待ち

2019年09月12日(木)15時32分

[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の108円付近。欧州中央銀行(ECB)理事会を控えユーロの膠着感が強まる中、米長期金利の上昇を受けてドルは一時6週間ぶり高値をつけた。

朝方の取引では、トランプ米大統領が中国製品に対する関税の引き上げを10月1日から10月15日に延期すると発表したことが伝わり、ドルは108.05円まで上昇した。その後は仲値を挟んで一進一退となったが、米長期金利が5週間ぶりの高水準をつけたことを受け一時108.17円と8月1日以来6週間ぶり高値をつけた。ただ、終盤にかけて米長期金利が反落したため、ドルは伸び悩んだ。

米10年国債利回りは1.7730%まで上昇し、8月8日以来5週間ぶりの高水準となった。米長期金利上昇がドル買い/円売りオーダーをトリガーするAI(人工知能)の動きが、このところの米長期金利の反発とドル高/円安の背景にあるとみられている。

ただ、米長期金利の上昇は9月期末をにらんだ投機筋や投資家の利益確定売りを反映している可能性が大きく、それらが一巡すれば、反落する公算が大きい。

黒田東彦日銀総裁は12日昼、首相官邸で安倍首相と会談した。会談後、黒田総裁は定例の意見交換であり、消費税やマイナス金利などの話はなかったと語った。この会談について、市場の反応は限定的だった。

ECB理事会を控えたユーロは膠着気味だった。午後3時までの取引レンジは1.1008─1.1015ドル。きょうは1.1000ドル付近をストライクとする20億ドル近いオプションが権利行使期限を迎えるため、関連売買で値が振れづらくなった面もあるという。

ECBは12日の理事会で、不振にあえぐユーロ圏の景気をてこ入れするために新たな金融緩和パッケージを打ち出す見通しだ。ただ具体的な中身がどうなるかは不透明で、市場予想に届かない内容ならば金利上昇につながりかねない。

緩和パッケージの内容として、マイナス0.4%の中銀預金金利をさらに10―20ベーシスポイン引き下げることはほぼ確実視されている。

量的緩和(QE)の再開については、理事会メンバーの中で意見が分かれており、QEは真の危機の到来まで温存しておくべきとの意見も聞かれる。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 108.00/02 1.1011/15 118.95/99

午前9時現在 108.00/02 1.1012/16 118.96/00

NY午後5時 107.81/84 1.1009/11 118.71/75

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人・失業率4.6

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中