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米FRB理事候補のムーア氏、指名を辞退

2019年05月03日(金)03時44分

[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領が連邦準備理事会(FRB)理事への指名を検討していた保守系経済評論家スティーブン・ムーア氏が2日、指名を辞退した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「成長推進派の素晴らしいエコノミストのムーア氏が、FRBポストへの指名を辞退した」と発表した。この数時間前、ムーア氏はブルームバーグテレビに対し、向こう3週間以内に指名されるとの見通しを示したばかりだった。

ムーア氏のFRB理事指名を巡っては、金融政策に関する見解や女性に関する過去の発言などについて批判が高まっていた。

トランプ大統領はムーア氏のFRB理事指名を検討していると3月に明らかにしていたが、正式な指名はまだだった。トランプ大統領がもう1人のFRB理事への指名を検討していた元ピザチェーン経営者、ハーマン・ケイン氏も4月に指名を辞退している。

ムーア氏は59歳。空席となっている2人のFRB理事のいずれかに就任していれば、少なくとも5年、もしくは11年にわたり連邦公開市場委員会(FOMC)で常に投票権を持つメンバーになるはずだった。

ムーア氏はトランプ大統領と同様、FRBに対し年内に利下げを実施するよう呼び掛けており、FRBが2018年12月に利上げを決定した際はパウエルFRB議長の退任を求めていた。イエレン前FRB議長についても、15年9月に退任を呼び掛けた経緯がある。

一部議員の間では、ムーア氏がトランプ大統領に忠実であることでFRBの独立性が損なわれるとの懸念が出ていたが、致命傷になったのは、女性の賃金が男性を超えれば社会は不安定になるなどといった、女性を巡る過去の発言だった。

ロイター
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