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米企業債務の増大、利上げ忍耐する理由の一つ=ダラス連銀総裁

2019年03月06日(水)02時56分

[サンフランシスコ 5日 ロイター] - カプラン米ダラス地区連銀総裁は5日、米国企業が抱える債務の増大も連邦準備理事会(FRB)が利上げに忍耐強く当たる理由の一つとの認識を示した。

総裁はロイターとのインタビューで「これは私自身が認識していることで、FRBが一定期間行動を控えるべきと考える裏付けにもなっている」とした上で、大幅な債務を抱える企業は下降局面において支出や採用を減らす可能性が高く、「減速が進めば信用の質が一段と悪化する恐れがある」と指摘。「インフレはFRB(の目標)から乖離しておらず、非常に忍耐強く対応することが賢明であると考える」と語った。

FRBは1月、世界経済の弱まりや米経済の減速見通しなどを背景に金利を据え置くとともに、今後はいかなる対応も「忍耐強く」当たると表明した。

米企業が抱える債務はFRBのゼロ金利政策を背景に拡大。対国内総生産(GDP)比では46%と高水準を記録しており、専門家らはFRBが一層注意すべき問題と警告している。パウエルFRB議長は前週、レバレッジド・ローン(信用度の低い企業向けローン)など高リスク債務は金融の安定性に大きな脅威を及ぼしていないとする一方、高水準の企業債務は米経済が下降した場合、悪化要因になり得ると述べた。

カプラン氏は「当該問題は企業の投資や支出計画に影響を及ぼし得るため警戒することが正当化される」とした。

ロイター
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