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欧州市場サマリー(11日)
[ 11日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。英内閣の閣僚らが英国の欧州連合(EU)離脱の期限を延長する必要があると発言したと伝わりポンドが上昇、輸出銘柄が売られた。
大半の収益をドルで上げる製薬のアストラゼネカは3.6%安となった。金融大手HSBCや製薬のグラクソ・スミスクラインも値を下げた。
原油安で石油大手のBPやロイヤル・ダッチ・シェルも値下がりした。
航空会社のフライビー・グループは77.1%急落し、過去最安値に落ち込んだ。英ヴァージン・アトランティック航空などの連合体が、フライビー・グループに買収提案を示した。提示額はフライビー株の市場価格を大幅に下回る1株=1ペンスだった。
ファストファッション企業のクイズは32.5%急落し、過去最安値をつけた。年末商戦の売り上げが期待外れの内容だったとし、2019年度の収益について軟調な見通しを示した。
一方、FTSE350種住宅建設株指数は2.11%上昇した。週間ベースで3年近くぶりの大幅な伸びとなった。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが部門の投資判断を「ニュートラル」に引き上げたことが好感された。
<欧州株式市場> まちまちで取引を終えた。投資家のリスク志向は強いままだったが、通商政策を巡る不透明感が漂うほか、決算期を控え慎重な姿勢も見られた。
STOXX欧州600種指数は4日続伸した。値上がりが続いた期間として2018年11月以来の長さ。
一方で米中通商協議の合意内容の詳細が明らかにならない中で、ドイツのクセトラDAX指数とフランスのCAC40指数はともに低下した。
中国市場の動向に左右されるSTOXX欧州600種自動車・部品株指数は0.99%低下し、部門別で最も軟調だった。個別銘柄ではフランスの自動車部品メーカー、ヴァレオが6.4%下落。CAC40指数で最も大幅に落ち込んだ。ドイツ市場では自動車部品大手のコンチネンタルと自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)の値下がりが目立った。
STOXX欧州600種指数は週間ベースで1.69%上昇した。今週は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長によるハト派的な発言を受けリスク志向が強まった。
<ユーロ圏債券> 65億ユーロ(75億ドル)のイタリア国債入札が順調な結果となり、債券利回りが大きく低下した。域内債券は週間の発行規模が3年ぶりの大きさとなった。
イタリアでは、国債入札結果を受けて利回りが下げ幅を拡大し、5年債利回りは1.8%と1週間ぶりの水準に低下した。10年債利回りは直近で3bp下がって2.86%。
3・7・30年債入札は、調達額が想定レンジの上限に達した。
域内各国は今週、入札やシンジケート団を通じ350億ユーロ強の国債を発行した。コメルツ銀行によると、週間の規模では3年ぶりの大きさを記録した。
ベルギーやアイルランド、ポルトガルは今週、シンジケート団を通じ計700億ユーロと過去最大の需要を集め、ドイツも入札を行った。
市場関係者によると、来週に英国の欧州連合(EU)離脱協定案の議会採決を控え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を好感して市場が落ち着く中、各国は資金調達に走った。
銀行関係者の1人は「昨年末は非常に変動が大きく厳しかったため、多くの投資家が資金を手元に置き、比較的安全な投資先を探し求めていた」「比較的安全な資産に買いを入れる数少ない機会が到来し、投資家はこれらシンジケート団に飛びついた」と話す。
パウエル氏が10日、追加利上げの判断を忍耐強く行うことができるとの認識をあらためて示したことを受け、イタリア以外でも国債利回りが低下した。
ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)下がって0.167%と1週間ぶり水準を記録し、先週に付けた2年強ぶり低水準近辺となった。他の中核国債券利回りは2─3bp低下した。
株式相場が軟調となったほか、昨年12月の米消費者物価指数(CPI)が下落したことを受け、債券利回りはさらに押し下げられた。