ニュース速報

欧州市場サマリー(11日)

2019年01月12日(土)06時34分

[ 11日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。英内閣の閣僚らが英国の欧州連合(EU)離脱の期限を延長する必要があると発言したと伝わりポンドが上昇、輸出銘柄が売られた。

大半の収益をドルで上げる製薬のアストラゼネカは3.6%安となった。金融大手HSBCや製薬のグラクソ・スミスクラインも値を下げた。

原油安で石油大手のBPやロイヤル・ダッチ・シェルも値下がりした。

航空会社のフライビー・グループは77.1%急落し、過去最安値に落ち込んだ。英ヴァージン・アトランティック航空などの連合体が、フライビー・グループに買収提案を示した。提示額はフライビー株の市場価格を大幅に下回る1株=1ペンスだった。

ファストファッション企業のクイズは32.5%急落し、過去最安値をつけた。年末商戦の売り上げが期待外れの内容だったとし、2019年度の収益について軟調な見通しを示した。

一方、FTSE350種住宅建設株指数は2.11%上昇した。週間ベースで3年近くぶりの大幅な伸びとなった。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが部門の投資判断を「ニュートラル」に引き上げたことが好感された。

<欧州株式市場> まちまちで取引を終えた。投資家のリスク志向は強いままだったが、通商政策を巡る不透明感が漂うほか、決算期を控え慎重な姿勢も見られた。

STOXX欧州600種指数は4日続伸した。値上がりが続いた期間として2018年11月以来の長さ。

一方で米中通商協議の合意内容の詳細が明らかにならない中で、ドイツのクセトラDAX指数とフランスのCAC40指数はともに低下した。

中国市場の動向に左右されるSTOXX欧州600種自動車・部品株指数は0.99%低下し、部門別で最も軟調だった。個別銘柄ではフランスの自動車部品メーカー、ヴァレオが6.4%下落。CAC40指数で最も大幅に落ち込んだ。ドイツ市場では自動車部品大手のコンチネンタルと自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)の値下がりが目立った。

STOXX欧州600種指数は週間ベースで1.69%上昇した。今週は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長によるハト派的な発言を受けリスク志向が強まった。

<ユーロ圏債券> 65億ユーロ(75億ドル)のイタリア国債入札が順調な結果となり、債券利回りが大きく低下した。域内債券は週間の発行規模が3年ぶりの大きさとなった。

イタリアでは、国債入札結果を受けて利回りが下げ幅を拡大し、5年債利回りは1.8%と1週間ぶりの水準に低下した。10年債利回りは直近で3bp下がって2.86%。

3・7・30年債入札は、調達額が想定レンジの上限に達した。

域内各国は今週、入札やシンジケート団を通じ350億ユーロ強の国債を発行した。コメルツ銀行によると、週間の規模では3年ぶりの大きさを記録した。

ベルギーやアイルランド、ポルトガルは今週、シンジケート団を通じ計700億ユーロと過去最大の需要を集め、ドイツも入札を行った。

市場関係者によると、来週に英国の欧州連合(EU)離脱協定案の議会採決を控え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を好感して市場が落ち着く中、各国は資金調達に走った。

銀行関係者の1人は「昨年末は非常に変動が大きく厳しかったため、多くの投資家が資金を手元に置き、比較的安全な投資先を探し求めていた」「比較的安全な資産に買いを入れる数少ない機会が到来し、投資家はこれらシンジケート団に飛びついた」と話す。

パウエル氏が10日、追加利上げの判断を忍耐強く行うことができるとの認識をあらためて示したことを受け、イタリア以外でも国債利回りが低下した。

ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)下がって0.167%と1週間ぶり水準を記録し、先週に付けた2年強ぶり低水準近辺となった。他の中核国債券利回りは2─3bp低下した。

株式相場が軟調となったほか、昨年12月の米消費者物価指数(CPI)が下落したことを受け、債券利回りはさらに押し下げられた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G20首脳会議が開幕、米国抜きで首脳宣言採択 トラ

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 8
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中