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英財務相、離脱案の議会不承認を警告 代償拡大の恐れ
[ロンドン 5日 ロイター] - 英国のハモンド財務相は5日、国民の大部分が不満を抱えたまま欧州連合(EU)離脱を巡る問題が決着する事態となれば、メイ首相が提示した離脱案に示されている微小な経済コストよりも大きな代償を払うことになるとし、議会で離脱案が承認されない事態について警告した。
英議会は11日にメイ首相がEUと合意した離脱案の採決を行うが、承認されない公算が大きくなっている。承認されない場合、英国のその後の交渉力が限定され、移行期が設定されない可能性があるほか、解散総選挙につながる公算もある。
ハモンド財務相は議会の財務委員会で、メイ首相の離脱案の不承認、EU残留、EUを合意なしで離脱することのそれぞれの危険性について警告。「英国が分断化され、国民の大部分が欺かれたと感じるいかなる結果も、白書で示された微小な経済的な影響を大きく上回る政治的、社会的にマイナスの影響をもたらす」と述べた。
そのうえで、英国が何年にもわたりEU離脱を巡る議論の泥沼から脱却できなければ「壊滅的」な事態となるとし、解決を呼び掛けた。
イングランド銀行(英中央銀行)は前週、EU離脱が無秩序なものとなった場合、英経済は約10年前に発生した世界的な金融危機よりも大きな打撃を受けるリスクがあるとの見通しを示している。