コラム

カナダ人はアザラシ(肉)が好き!

2010年03月10日(水)15時52分

食べ物に見える? カナダは、アザラシ猟は非人道的と決めつけたEUと徹底的に戦う構え
Paul Darrow-Reuters


 カナダ議会の議員たちは3月10日、議会食堂のメニューに新たに加わるアザラシ肉の料理を食べる。アザラシ肉を禁輸にしたEU(欧州連合)に抗議するため。
 



 EUは昨年7月、大西洋沖で行われるアザラシ猟が残酷で非人道的だとしてアザラシ製品の禁輸を決めた。カナダの保守党政権はこの決定と戦うという。

 10日のメインコースは、アザラシの腰肉の薫製をベーコンで巻き、ポートワインソースを添えた料理になると、セリーヌ・ハルビューペイエット上院議員の事務所は8日、説明した。

「アザラシ猟で生計を立てる人々を支援するカナダ議会の団結を、国際社会に示すための機会だ。あらゆる政党からの参加を歓迎する」と、ハルビューペイエットは声明で訴えている。

 カナダ政府によれば、3〜4月に行われるアザラシ猟は、大西洋岸の漁業コミュニティーの貴重な収入源。アザラシは、銃で撃つか、先端に金属が付いたハカピックと呼ばれる棒で頭部を殴って殺すという。

 イラク戦争に反対したフランスに抗議して、食堂の「フレンチフライ」を「フリーダムフライ」に名称変更した米議会などとてもかなわない強気の挑発だ。

 昨年は、イヌイット(エスキモー)の村を訪ねたカナダ総督のミカエル・ジャンがアザラシの心臓を生で食べて見せて世間を驚かせたし、モントリオールのレストランでも食材としてのアザラシ人気は盛り上がる一方だ。


──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年03月09日(火)14時23分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 10/3/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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