レイ・イナモトが語る、AI時代のブランド論
ブランド構築のフライホイールについて詳しくは本書に紹介されている

BtoB企業こそ、まず社内に「共通言語」を持つ

──たとえば知名度の低いBtoB企業にとって、信頼獲得には難しさがあります。法人向けSaaSのような領域では、どのように信頼獲得を進めればよいでしょうか。

まず大切なのは、自社の信念や理念が明文化され、「何の会社か」という共通言語を社内で共有できているかどうかです。これは、スタートアップの立ち上げ時だけでなく、会社のフェーズに応じて何度も見つめ直さなければなりません。

誰もが知る企業でも同様です。たとえばトヨタでは、会社の存在意義を見つめ直したのは、ここ17〜18年の出来事です。豊田章男さんは社長就任直後、アメリカで起きた事故により、議会の聴聞会に呼ばれました。その経験を通じて、「トヨタは何を提供しているのか」をもう一度問い直したのです。

そこでミッションの再定義として出てきたのが「幸せの量産」でした。この言葉が打ち合わせでも自然と出てくるようになるほど、社内に根づいていったそうです。

私たちI&COが支援したアシックスも同様です。80年以上の歴史ある会社ですが、ここ5年ほどで「誰もが一生涯アスリート」という共通言語をともにつくってきました。ここでいうアスリートとは、職業としてのアスリートではありません。年齢や身体能力にかかわらず、すべての人が運動やスポーツを通じて心と体の健康を保ち続ける、という理念を指しています。

経営層が重視すべきことは?
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