ストーリーは、関係性を築くきっかけとしては有効です。しかし、それだけに頼っていては「選ばれ続ける存在」にはなれません。一時的に話題になっても、結果的にはブランドとしての信頼が積み上がらないんですよね。
その象徴的な事例が、OpenAIとAnthropicです。OpenAIのサム・アルトマン氏は、抜群のストーリーテリングの才能も活かしながら、あれだけの資金調達を実現してきました。
一方で、この数か月、その対極ともいえるAnthropicが強い支持を集めています。Anthropicは、もともと理念の違いからOpenAIと袂を分かったメンバーらが立ち上げた会社です。OpenAIがAGI(汎用人工知能)の開発をミッションとするのに対し、Anthropicは「安全なAIをつくる」というポジショニングを明確に示しました。
最近では、政府から軍事利用目的におけるAI活用の拡大を求められた際、何百億という損失を覚悟でNOを突きつけたことも記憶に新しいでしょう。その結果、新規契約のシェアにも変化が現れました。2025年12月時点では、新規法人契約の6割以上がOpenAI、4割以下がAnthropicでした。ところが、その後わずか2か月で、Anthropicが73%、OpenAIが23%に逆転したのです。
マーケティングを仕掛けたからではありません。理念をプロダクトや行動で一貫して体現し続けることで、信頼されるブランドを築いてきたのです。
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