──この数年、日本でもブランド構築を経営課題として捉える経営者は増えてきたのでしょうか。

徐々に増えてはいるものの、まだまだ「マーケティング部門の話」と捉えている経営者が大半ではないでしょうか。もちろん、グローバル企業の経営者の中には、「ブランドとは、企業そのもの、社員そのもの」と語るファーストリテイリングの柳井会長のように、その本質を理解している方もいます。ただ、まだ少数だと感じています。

これからのブランドには、「信頼による差別化」が不可欠です。そのための戦略を、日本企業に伝えたいという想いが強くあります。本書では、日本の企業やビジネスパーソンに貢献したいと書きましたが、その先にあるミッションは「Make Japan Matter(日本を、世界で必要不可欠な存在に)」です。

ストーリーだけでは、選ばれ続けるブランドになれない

──本書で印象的だったのが、「意味を買う時代から、信頼で選ばれる時代へ」という言葉でした。ストーリーテリングやパーパスが重視されてきた中で、「信頼による差別化」がより重要になっている背景は何でしょうか。

かつて「ブランドとはストーリーである」と言われていたように、ストーリーは今も大切です。人類の歴史の中で、何千年も機能してきた技術ですから。

ただ、インターネット、2008年のiPhone登場以降のモバイルの発達、そしてAIという産業革命によって、ストーリーの伝わり方は飛躍的に変わりました。その結果、何が真実なのかを見極めにくい時代になり、「情報の歪み」が生まれています。

OpenAIとAnthropicの対比が示すもの
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