Savyata Mishra Waylon Cunningham
[11日 ロイター] - マクドナルドをはじめとする米国のファストフードチェーン各社は2026年第2・四半期に、価格に敏感な消費者の取り込みに力を入れてきた。しかし、値引きだけではもはや顧客をつなぎ留めるのに十分ではないことが明らかになった。
インフレに圧迫された消費者がより安価な食事を求める中、バリューメニューや販売促進キャンペーンは過去2年間にわたってファストフード業界で最も信頼性の高い集客手段となってきた。だが、決算内容を見ると、最も好調だった企業は値引きを提供するだけでなく、メニューの刷新、品質の改善、より円滑な顧客体験を実現するための取り組みを組み合わせていたことが判明した。
この戦略により、ヤム・ブランズ傘下のタコベルといったチェーンは、メニュー全体で一律の値下げを行うことなく、節約志向の消費者を引き付けることに成功した。同社の価格帯が5ドル、7ドル、9ドルのミールボックスは顧客から人気を集めた一方で、エントリー価格帯のセットメニュー以上の追加支出を促す新商品も継続的に投入した。
フードサービス業界のコンサルタント会社コネクションズの戦略企画・イノベーション部門ディレクター、レイチェル・ロイスター氏は、バリュー戦略は「内容が非常に分かりやすくシンプル」であり、「おとり商法」のように感じられない時に成功すると指摘した。
タコベルは第2・四半期の既存店売上高が前年同期比で7%増加した一方、マクドナルドの世界の既存店売上高は1.3%増にとどまった。
マクドナルドは価格が3ドル未満のメニューや、4ドルの朝食セットを提供したにもかかわらず苦戦した。クリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は、来店客数の落ち込みの約3分の2は常連客が離れたことによるものだとし、その原因は戦略ではなく実行面にあると語った。
他のチェーンでは、販売促進キャンペーンは低所得層が受けている生活費上昇の圧力を和らげることがほとんどできなかった。
価格が5ドル以上のバリューセット「ビギー・バッグ」を提供するウェンディーズは、米国内の既存店売上高が7%減少したと発表し、年間の業績見通しを撤回した。また、ウィングストップは価格が1ドルのチキンウイングなどの販売促進を実施したにもかかわらず、米国内の既存店売上高が7.5%減少した。
ウィングストップのマイケル・スキップワースCEOは、高所得層が多い地域では来店客数が最大9%増加した一方、一般的に家計負担が重い都市部では売上が落ち込んだと説明した。
D・A・デービッドソンのアナリスト、マット・カーティス氏は「競合他社による販売促進が増えて雑音と化し、消費者の判断が難しくなった可能性はある。しかし消費者は、さまざまな選択肢をより洗練された形で比較し、宣伝に惑わされずに判断するようになったようだ」と分析した。
また、今回の四半期決算では、レストランが成功するためには必ずしも最安値の選択肢を提供する必要はないことも示された。
レストラン・ブランズ・インターナショナル傘下のバーガーキングは、最も明確な勝ち組の1社だ。同社の経営陣は「2品で5ドル」や「3品で7ドル」といった販売促進キャンペーンに加え、店舗運営やメニュー品質の改善策が米国での力強い売上高の増加につながったと強調した。
独立系レストランコンサルタントのジョン・ゴードン氏は「バーガーキングは値引きを行っているが常時ではなく、実施する際も創意工夫がある。毎日のように、極端な値引きはしていない」との見解を示す。
ドミノ・ピザも、割安感を訴求する商品やロイヤルティープログラムによって来店客数を増やし、売上高を押し上げた。チポトレ・メキシカン・グリルは、値上げ幅を1-2%程度に抑えながらも好調な業績を達成した。
チポトレのスコット・ボートライトCEOは「バリューとは単に値引きや価格設定だけを意味するものではない。利便性であり、オペレーションの実行力であり、メニューの革新でもある」と訴えた。