Steve Holland Jonathan Landay
[ワシントン 11日 ロイター] - ロシア当局は11日、2022年から拘束していた元米海兵隊員のロバート・ギルマン氏(32)を釈放した。ギルマン氏の健康状態が悪化していたことを踏まえ、プーチン大統領が人道的理由から恩赦を与えたという。
トランプ米大統領は交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に、プーチン大統領との協議を経て、ロシアがギルマン氏の釈放に合意したと投稿。「われわれはこの決定を高く評価する。また、ロシアが見返りを求めず、捕虜交換が行われなかったという事実も評価する」と述べた。
トランプ氏によると、ギルマン氏が11日夜に首都ワシントンに到着する見通し。
ギルマン氏の健康状態の詳細は不明。同氏の家族を支援する擁護団体の責任者は先週、ロイターに対し、ギルマン氏が6月下旬に「解離性昏迷」とみられる状態に陥り、刑務所病院から民間病院の精神科病棟に移送されたと明らかにしていた。
ただ、ギルマン氏と接触した米当局者によると、ギルマン氏は歩行や会話が可能だったという。
ギルマン氏は22年1月、ロシア西部ボロネジで拘束され、懲役4年半の判決を受けた。ロシア国営メディアは、泥酔状態で警察官を蹴った疑いで拘束されたと報じている。一方、家族は、体調を崩した際に誤って警察官を蹴ってしまったものの警察官にけがはなく、裁判でも証拠は提示されなかったと説明している。
当局者らによると、今回の釈放は米ロ当局者による集中的な交渉の結果実現した。ロシアのウシャコフ大統領補佐官は先週、プーチン大統領がトランプ米大統領との良好な関係を考慮し、人道的見地からギルマン氏を恩赦する大統領令に署名する意向だと、トランプ氏側近に伝えたという。また、米国側は見返りとしてロシア人受刑者を釈放していないことから、今回の措置は「善意の表れ」だという。