大統領が民主的正統性を強め、今日のように内政を含めた国政全般を主導するに至る過程では、いくつかの大きな出来事があった。特に注目すべきは、19世紀前半のジャクソニアン・デモクラシー、19世紀半ばの南北戦争、20世紀初頭の革新主義、そして1930年代のニューディールである。

ジャクソニアン・デモクラシーの時代に、大統領選挙人団の自由意思による投票は事実上許されなくなり、大統領は州ごとの集計ながら全米の有権者からの直接公選に近づいた。

南北戦争は、国家分裂の危機における大統領の統合機能を強烈に示した。革新主義は、産業革命を経て複雑化し全米化した国政課題を前に、大統領とその下にいる行政官僚制の役割を強めた。そしてニューディールは、国民が待望する大規模な政策転換には、大統領の主導性が不可欠であることを明らかにした。

これらの変化を経て、ニューディール期に完成された大統領の職務遂行の在り方を「現代大統領制」と呼ぶ。それは実質的意味での憲法改正、あるいは憲法体制の変容であったという見解は珍しくない。

今日のトランプに至るまで、憲法が制定当初に想定していた大統領制に戻っていないという意味では、現代大統領制の枠内にあると言える。

現代大統領制の成立は、連邦議会の役割も変えた。政策過程を主導するという当初の役割はもはや期待されなくなり、大統領やスタッフ機構(行政官僚制・大統領府)と協力しつつ、時には暴走を抑止することが求められるようになったのである。

今秋行われる中間選挙では、議会下院の全員と上院の3分の1のみが改選される。大統領の任期途中であるため「中間」選挙と呼ばれるわけだが、先に述べたような連邦議会の今日的役割に照らせば、大統領に対する中間評価、それも政権発足直後の勢いに任せた「やりすぎ」をいさめるという位置付けになるのは必然的である。

トランプも例外ではない
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