
ハラスメントの要因として敬遠される「飲みニケーション」
2012年には約13億ウォンに過ぎなかった韓国のノンアルコールビール市場は、27年までに約2000億ウォンに拡大すると分析されている。アルコール飲料の消費減少の理由には「飲みニケーション」文化への反動もある。
仕事の後の会食に加えて昼食で杯を交わす習慣も続くが、それによる不幸な事故も起きている。昨年10月、南西部の光州市で20代の女性消防官が自殺した。酒を飲めないにもかかわらず、会食への出席を強要され、焼酎とビールを混ぜた酒を一気飲みさせられたという。セクハラまがいの行為もあったとみられ、消防庁が監察に着手したが、このようなアルコールハラスメントやセクシャルハラスメントは氷山の一角だと見られている。
健康志向やアルコールハラスメント回避もさることながら、アルコール消費が減少している最大の理由は厳しい家計にあり、韓国社会は所得による二極化が進んでいる。メーカーがいくら新商品開発に取り組んでも経済が好転しない限り、財布の紐が緩むことはないだろう。
酒に代わり支出が増えた投資と宝くじ
酒と同様の理由でタバコへの支出も減る一方、代わって支出が増えたのが金融投資と宝くじだ。今年第1四半期の保険・金融サービス支出は前四半期から2兆4040億ウォン(約2527億円)・10.8%上回る25兆10億ウォン(約2兆6400億円)だった。韓国は従来、投資といえば不動産が主流だったが、近年は金融商品に移行している。
ハナ金融研究所が発表した「2026大韓民国ウェルズレポート」によると最近10年以内に金融資産が10億ウォンに達した「新興金持ち」の44%が超高級住宅ではなく100平方メートル程度のマンション*に居住しており、預貯金などで基盤を作った後、金融に投資しているという。
*ソウル市の標準的なファミリー住戸は60〜85平方メートルで、日本の首都圏新築マンションの60平方メートルよりひと回り広い。また、ソウル市の全住宅のうち130平方メートル超のものは10.3%を占めている