ドイツが取り組んだ「グリーン・ドット制度」
私自身、「断捨離」のたびに分別表と首っ引きで、美しい和菓子の個包装フィルムを手に「これは燃やすしかないのか」とため息をついてきた。和菓子などの個包装フィルムは、一般に紙・プラスチック・金属箔といった異なる素材を何層にも貼り合わせたラミネート構造を取っている。そのため使用後に素材ごとに分離することが技術的に難しく、「燃やすしかない」という扱いになりがちだ。
では、他国はどうこの問題に立ち向かっているか。筆者がかつて住んだドイツでは、1990年に「グリーン・ドット制度」が始まった。包装の重さと素材に応じて生産者の負担が増えるシステムで、ヨーグルト容器は平均7.2グラムから4.7グラムへと約3分の1軽量化され、同じ期間にプラスチック包装のリサイクル率は3%から54%へと跳ね上がった。薄く軽い包装ほど負担金が減る仕組みが包装の設計を変えたのだ。日本でも導入すれば、菓子の小袋は薄く単純になり、カップ麺のはがしにくいビニール包装も姿を消すだろう。
南アフリカでは、製品生産者の責任範囲を製品の廃棄やリサイクル段階にまで拡大する「拡大生産者責任(EPR)」制度が21年に運用開始された。この制度に基づき、包装や電子機器などの事業者は生産者責任機構(PRO)に加盟し、彼らが支払う負担金で路上回収作業員から大型リサイクル業者まで全工程を支える。日本でも、既存の容器包装リサイクル制度にPRO的機能を加え、生産者資金をごみの回収現場に振り向けることは可能である。