『英米文学のわからない言葉』(金原瑞人・著、左右社)の著者は、作家・金原ひとみの実父であり、数百冊もの実績を持つ翻訳家。本書の冒頭では、「翻訳という仕事の多くは調べ物だ」と述べている。『英米文学のわからない言葉』

当然の話だが、知らない単語やあいまいな熟語のみならず、調べなくてはならないことはいくらでもあるわけだ。

かつては一冊の本を訳す際、何日かは図書館などで調べ物に専念したそうだ。近年はほとんどがネット検索で済むようになりずいぶん楽になったというが、それを喜んでいいのかどうかという思いも否定できないという。

というのも、昔なら、「ここは誤訳だけど、しょうがないね。ちょっと調べようがないもん」といってすませてもらえたものを、最近では「〇〇のサイトにちゃんと出てるじゃないか。それくらい調べろよ!」と叱られてしまう。世の中、どこかが便利になると、どこかが不便になるらしい。(「はじめに」より)

「〇〇警察」のお仕事は、翻訳の領域にまで及んでいるわけである。それはどうかとも思うが、ともあれ翻訳において、調べ物が大変な仕事であるのは間違いなさそうだ。

とはいえ悲観的になるのではなく、それどころか「そういう言葉を改めて調べたり、そういう言葉について考えたりするのも面白いんじゃない?」というスタンスで本書は書かれている。

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