その後に何が起きるか。描かれるのは現代アメリカのさまざまな断面だ。2人を応援する人たち。2人を銃撃してヒーローになろうとする人たち。長く一緒に旅するうちに、スライド巡査と2人の間に奇妙な連帯が生まれる。そして3人を追跡する警察隊を指揮するタナー警部も、2人の動機を知って、できることなら2人を救いたいと煩悶する。でも同時に、多くの市民が銃で武装しているからこそ、これに拮抗せねばならないアメリカの治安権力の暴力性もすさまじい。ラストが予想できない。

クロービスを演じるウィリアム・アザートンの小物感と家族への思い、ルー・ジーンを演じるゴールディ・ホーンの優しさと壊れっぷりのバランスが素晴らしい。根っからのワルではないが思慮が少し足りず大きな失敗をしてしまう弱さと子供への一途な思いを抱く夫婦を、2人は見事に演じている。

そして何度でも何度でも観て、かみしめたいラスト。紛れもない傑作。もっと評価されていいはずだ。

newsweekjp_20240417074555.jpg

『続・激突! カージャック』(1974年)

監督/スティーブン・スピルバーグ

出演/ゴールディ・ホーン、ウィリアム・アザートン、ベン・ジョンソン

<本誌2024年4月23日号掲載>

ニューズウィーク日本版 進化する世界の鉄道
2026年10月20日号(10月14日発売)は「進化する世界の鉄道」特集。

鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます