9月上旬にドイツ東部ザクセン・アンハルト州で行われた州議会選挙では極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進したが、同月20日に行われた首都ベルリン特別市(州と同格)の議会選挙は、その流れを覆すとともに、ドイツの政治体制に新たな課題を突き付けた。

AfDは過去最高の得票率16.3%を得たが、第1党になったのは、同じく過去最高の25.7%を獲得した左派党だ。同党の市長候補でトルコ系の弁護士エリフ・エラルプ(45)は今や、社会民主党(SPD)と緑の党との3党連立に向けた協議を主導する立場にある。

だが、エラルプに対する国内メディアの質問は1点に集中した。選挙戦で掲げた看板公約、企業が所有する住宅の「社会化」を本当に実現するつもりかという点だ。

これに対してエラルプは、「常々言ってきたとおり、左派党が政権入りすれば社会化も実現する」と明言。企業の住宅収用は「法的に問題はなく、資金調達も可能で、手頃な住宅価格を保つには最良の手段の1つだ」と続けた。

英ガーディアン紙によれば、エラルプは今回の選挙戦に際し、米ニューヨーク市長選で勝利したゾーラン・マムダニの側近から戦略の助言を受けていた。党としても、米上院議員バーニー・サンダース(民主党系無所属)の選挙戦を手本にしていたとされる。だが、左派党のポピュリズム的な公約は、民主社会主義者を自任するマムダニの公約よりもさらに上を行く。

ベルリンの人口は増え続け、住宅不足は深刻だ。これまでの市政による対策では、家賃を抑えた住宅を一定数建設することなどにとどまっていたのに対し、社会化は、既存の物件を市が買い上げ、共同所有に移すことを意味する。

「ドイツ史上最大級の経済実験に」
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