*米国版ニュースレター「チャイナ・デコーデッド(中国を読み解く)」より転載
中国の人口は2100年には3億2000万人まで減るという。にわかには信じ難い。現在の中国の人口は14億人ではなかったか。少なくとも、中国政府の公式発表ではそうなっている。
だが、中国国内で政府の統計を信じている人などいない。国外の人々も信用すべきではないだろう。李克強元首相でさえ、かつて遼寧省の党委員会書記を務めていた頃、政府が発表するGDP(国内総生産)の数字は「人為的につくられたもの」だと語り、実際の経済成長を把握するために電力消費量などの実態を示す指標を参考にしていると明かしていた。
では、中国の人口が74年後に3億2000万人になるというのは、どういうことなのか。
アメリカで中国の人口問題を独自に研究してきた、中国出身の人口学者・易富賢が、独立系の中国語学術誌「コンテンポラリー・チャイナ・レビュー」に発表した新たな研究論文で、そう予測しているのだ。
コンテンポラリー・チャイナ・レビューは、厳しい言論統制が敷かれた中国の実情を伝える、数少ない独立系の学術誌だ。
ニューヨークの中国語系出版社、博登書屋が編集・発行を手がける。14人の編集委員は全員が中国人で、中国語圏における自由主義的価値観と、言論・表現の自由の擁護に取り組んできたという。
最近、同誌の副編集長に就任した易は、ウィスコンシン大学マディソン校の上級研究員で、産婦人科の専門家でもある。湖南省で医師としての教育を受けた後、何年も前にアメリカへ渡った。
筆者が初めて易を取材した15年ほど前、易は画期的な著書『大国空巣(空っぽになる大国)』を広めるため、時折中国を訪れていた。当時から、易は中国政府の公式人口統計を信用していなかった。