言い訳と説明で字数を使ってしまった。今回取り上げる『アバター』はつい数年前まで、「一番好きな映画は?」と質問されたときに、ほぼ必ず名前を挙げていた作品だ。

太古の地球を思わせる惑星パンドラで自然と一体化しながら暮らしてきた先住民族ナヴィは、明らかにネイティブ・アメリカンのメタファーだ。そしてレアメタル発掘のためにナヴィの集落に攻撃を仕掛けるRDA社が差し向けた軍隊は、ベトナム戦争時の米軍そのままだ(実際に主人公のジェイクは米海兵隊出身という設定)。つまり本作は、潤沢な予算でCGを駆使したアメリカン・ニューシネマなのだ。RDA社はネイティブ・アメリカンの側から見た騎兵隊でもあるし、ベトナム人の側から見た米軍でもある。

でもそんな思いも、昨年公開された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観てしぼんだ。批判精神はすっかり後退している。そもそもジェームズ・キャメロンは好きな監督じゃない。『タイタニック』は僕にとってワーストにランキングされる映画の1つだ。

......洋画なら好きなことを書ける。まあでも、監督や他の作品を切り離せば、『アバター』はやはり僕にとってフェイバリットな作品だ。

231114P50_MCM_02.jpg『アバター』(2009年)

監督/ジェームズ・キャメロン

出演/サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー

<本誌2023年11月14日号掲載>

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