コラム

世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支えたM&Aの功罪

2026年02月13日(金)19時14分

この流れのなか、M&A(合併・買収)が積極活用されている。

ソニーは17年に北米最大のアニメ配給会社ファニメーションを、21年には世界最大のアニメ配信プラットフォーム、クランチロールを買収するなど、世界各地でアニメ関連のM&Aを繰り返す。東宝もこれに対抗し、アメリカのGKIDS、イギリスのアニメ・リミテッドなど映画配給会社を相次いで買収する。


国内ではKADOKAWAがアニメスタジオの運営に乗り出し、複数のアニメ制作会社を買収した。

アニメは専門性が高く、人脈も必要なため、ゼロからの立ち上げではないM&Aによって、事業失敗のリスクを減らす狙いがある。変化の速いアニメ業界で、お金で時間を買っている面もある。こうした戦略が功を奏したわけだが、ソニーグループの『鬼滅の刃』の世界的なヒットも国外でのM&Aがあってこその成功だ。

大企業の国内外で相次ぐM&Aは、中小企業が多く経営基盤の弱かったアニメ業界に安定をもたらしている。またグループが大きくなることで、資本力で圧倒する米エンタメ企業に対抗する手段にもなる。

プロフィール

数土直志

Tadashi Sudo
ジャーナリスト。メキシコ生まれ。証券会社勤務を経て、2004年にアニメ情報サイトを設立。12年にサイトを売却し、その後はエンターテインメント分野で執筆活動中。

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