コラム

アニメ制作現場の「スタッフ搾取」は今も? 業界内で進む二極化

2025年12月13日(土)15時40分

日本のアニメーターの過酷さはよく報道されているが……(写真はイメージ画像) Kaspars Grinvalds/Shutterstock

<国内外の市場拡大で大手系列の待遇はかなり改善しているが、経営の厳しい中小スタジオではいまだに多くのアニメーターが過酷な条件で働いている>

アニメについて書いていると、最近は決まって聞かれることがある。「アニメ業界ではすごい低賃金でスタッフが搾取されているというのは本当ですか?」

今や国外も席巻する日本アニメの制作現場は過酷で、製作会社がアニメーターを搾取しているという構図は、メディアで幾度となく報道されている。今では、多くの人が関心を持つトピックのようだ。


ただ近年、状況がかなり変化していることは、あまり知られていない。業界の賃金はここ何年も上昇を続けている。劇場大作で目立ってクレジットされるような著名スタッフは各社から引っ張りだこで、収入はかつてと比べると様変わりしている。実力派アニメーターが原画1カットごとの出来高報酬に加えて、専属契約で「拘束料」と呼ばれる月ごとの別報酬を得ることも一般的になった。

若手新人の状況も大きく変わった。なかでもIT大手サイバーエージェントが今年設立したスタジオの新卒アニメーター採用は業界を驚かせた。月給34万円、修業時期とみられがちな新卒スタッフには破格の条件だ。

プロフィール

数土直志

Tadashi Sudo
ジャーナリスト。メキシコ生まれ。証券会社勤務を経て、2004年にアニメ情報サイトを設立。12年にサイトを売却し、その後はエンターテインメント分野で執筆活動中。

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