コラム

コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用

2025年09月06日(土)16時10分

海外「コスプレ」文化の影響も

その一方でチャンピオンシップが面白いのは、取り上げる作品は日本で生まれたものに限定しているところ。グローバル化と日本限定という特殊性が同居している。

そもそも「コスプレ」の言葉は、英語のコスチュームプレイ(costume play)に由来するものの、本来の英語(歴史劇、時代劇など)とは大きく意味が異なる。典型的な和製英語だ。ところが「コスプレ」が日本発祥かと言えば、そうではない。もともとアメリカのファンイベントで「マスカレード」と呼ばれていたキャラクター仮装を、日本のファンがまねたのが始まりで、80年代頃からコスプレと呼ばれるようになった。


海外から取り入れたカルチャーが日本で独自の発展を遂げ、新しい文化になるという、日本が得意とする文化創出の典型だ。それが逆輸出され、今では本家のアメリカでもキャラクター仮装のイベントは「コスプレ」と呼ばれるほどになった。

しかし話はここで終わらない。日本のコスプレはイベントでの仮装や写真撮影が主流だ。ところが海外ではコスプレイヤーがステージに立ち、ドラマやアクション、ダンスまで披露するステージプレイになる。実は「コスプレチャンピオンシップ」の審査会も、こうした海外イベントのカルチャーを取り入れている。

プロフィール

数土直志

Tadashi Sudo
ジャーナリスト。メキシコ生まれ。証券会社勤務を経て、2004年にアニメ情報サイトを設立。12年にサイトを売却し、その後はエンターテインメント分野で執筆活動中。

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