マドゥロなき後のベネズエラに広がる安堵と恐怖...石油埋蔵量世界一の国は復活を遂げられるのか
A Dictatorship Without a Dictator
米軍の攻撃の翌朝、首都カラカスのスーパーで列に並ぶ市民(1月3日) PEDRO MATTEYーANADOLU/GETTY IMAGES
<トランプ政権による攻撃から2週間経ったベネズエラの「現在」と「未来」を、専門家が語る>
トランプ米政権がベネズエラを攻撃し、独裁体制を敷いていたニコラス・マドゥロ夫妻を拘束してから約2週間。マドゥロなきベネズエラで何が起きているのか──。
ジェトロ・アジア経済研究所でベネズエラを研究する坂口安紀主任研究員に聞いた(聞き手は本誌デジタル編集部の楢橋広基)。
──マドゥロ拘束に対するベネズエラ人の反応は。
政府からの弾圧を恐れて公に表現できないが、ほとんどのベネズエラ人はマドゥロが排除されたことを喜んでいる。
一方、アメリカの介入については、「内政干渉ではないか」といった意見もあれば、「釈然としないが、マドゥロ政権下の地獄よりマシ」といった意見もあり、幅がある。
少数だが「アメリカの自治州になればよい」という極端な意見も存在するようだ。
──マドゥロが長期政権を築けた理由は。
表には出ていないが、マドゥロの支持率は非常に低い。マドゥロ政権下でGDPは80%減となり、13万%ものハイパーインフレが引き起こされた。既にベネズエラ国民の4分の1が国を捨てている。そんな政権が支持されるわけがない。
2024年大統領選の本来の選挙結果では、反政府勢力の候補だったエドムンド・ゴンサレスにダブルスコアで負けているため、本来マドゥロは大統領ですらない。
マドゥロが政権を維持できていたのは、反政府派政治家やジャーナリスト、軍人、一般市民にも監視の目を光らせ、弾圧し、反政府的な動きを芽のうちに摘んできたためだ。
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