トランプ、各国の大使ら約30人召還...米国第一を徹底、信頼はどうなる
12月22日、米フロリダ州パームビーチのマールアラーゴで撮影。REUTERS/Jessica Koscielniak
トランプ米政権は、大使館に「米国第一」主義の優先事項を反映させるため、約30人の大使および上級キャリア外交官を召還する。この措置に対し、米国の外国における信頼性を弱めるとの批判が出ている。
国務省は召還対象となる外交官についての情報提供を拒否した。同省高官は22日、「大使はそれぞれ大統領を代表する個人であり、各国の駐在員が米国第一の政策を進めることを確実にすることは大統領の権利だ」とし、召還について「どの政権でも標準的な手続きだ」と主張。これに対し、異常事態だとの非難する声が出ている。
召還された外交官らは比較的小国に派遣されていたが、こうした国々では伝統的に、政党に属さないキャリア外交官が大使を務めてきたという。
別の米当局者は、召還された外交官らは国務省内で新たな職務を見つけるよう促されていると指摘した。
国務省の外交関係職員でつくる労働組合、米外交協会は、一部の外交官が説明なしに電話で召還通知を受けたとの報告を受け、対象メンバーの確認を進めていると説明した。同協会の報道担当者、ニッキー・ゲーマー氏は電子メールで「極めて異常な事態だ」とし、「突然かつ説明なき召還は当協会の調査データが示す通り、士気と効率性、米国の外国での信頼性を損なう組織的妨害と政治化のパターンが起こることを映し出している」とコメントした。
国務省はゲーマー氏の発言にコメントすることを拒否した。
議会上院外交委員会の民主党筆頭委員のジャン・シャヒーン氏はXへの投稿で、約80の大使ポストが空席になっている中での外交官解任を非難し、「トランプ氏は、政権交代に関わらず忠実に職務を遂行する有能なキャリア大使を解任することで、米国のリーダーシップを中国とロシアに譲り渡している」とし、「これは米国の安全保障を弱め、国力を低下させ、繁栄を損なうものだ」と指摘した。
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