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日本女性が握る「絶妙な固さ」 ソウルのOLが殺到する日本式おにぎり専門店が大ヒット

2025年10月8日(水)08時20分
佐々木和義

日本式おにぎり専門店「とんありおにぎり」

ショッキングピンクの外観の日本式おにぎり専門店「とんありおにぎり」には女子高校生たちが集まる(筆者撮影)

開業への道のり

ソウルに戻った松本さんは、さっそくおにぎり店の開業準備を始めた。しかし、居酒屋は昼と夜、おにぎり店は朝と昼の営業で、2店舗の両立は容易ではない。体制をどうするか、片腕とも言える従業員に相談した。もし反対されてもおにぎり店を断念する考えはなく、負担増を受け入れてもらうつもりでいた。ところが従業員の回答は意外なものだった。

「おにぎり店を任せて欲しい。日本食を手軽に味わってもらえる店を作りたい」

しかも「早朝の通勤は大変なので店舗近くに部屋を借りる」とまで言い切った。そこで松本さんは、彼女を店長としておにぎり店を任せることにした。

予想を超える反響

とはいえ、韓国式の「三角キムパブ」店は数店あるが、日本式おにぎり店は前例がなく、参考にできる店はない。まずは見切り発車で開業し、居酒屋の売上で補填しながら運営を見直そうと考えた。

ところが開業初月から1日あたりの販売数が300個を超え、見直す余裕がないどころか作るのが間に合わない危惧すら生じるほどだった。そこで急遽、日本から業務用おにぎり製造機を輸入。2店舗目、3店舗目など次の展開をも見据えての導入だった。

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