実はトランプ政権にも「クィアの閣僚」がいる...10年目の同性婚に訪れた「最大のピンチ」

FEARS FOR GAY RIGHTS

2025年7月16日(水)18時23分
ジェイソン・レモン

オーバーグフェル対ホッジス裁判の原告オーバーグフェル

オーバーグフェル対ホッジス裁判の原告オーバーグフェル(15年4月) OLIVIER DOULIERY/GETTY IMAGE

厳密にはオーバーグフェル判決が覆され、保守的な州が同性婚許可証の発行を非合法化する可能性は残るものの、同法は州がよその州や国外など他の管轄区域で行われた全ての結婚を認めるよう義務付けている。

賛成票を投じた共和党議員は下院で39人、上院で12人だけ。共和党議員の大多数が法案に反対したわけだ。

15年の集団訴訟の原告代表ジム・オーバーグフェルは今年6月、「結婚の平等性に不安を感じている」とUSAトゥデーに語った。

「オーバーグフェル判決が覆されれば、私が住むオハイオ州ではクィア(性的少数者)のカップルが結婚したいと思っても州が許可証の発行を拒否できる時代に逆戻りしかねない。オハイオ州は(同性婚を否定する)『結婚を守る法案』が州レベルでは残っているため、結婚許可証の発行を拒否する可能性がある。私たちの最大の課題は自分たちが成し遂げた進歩を失わないようにすることだ」

地方レベルでは過去数カ月、アイダホ、ミシガン、ミズーリ、モンタナ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスダコタ、テネシー、テキサスの9つの州の保守派議員が反同性婚法案を州議会に提出。いずれも通過できていないが、注意すべき試みだ。

「これは州の主権をめぐる重要な問題であり、最高裁ではなく州レベルで議論されるべき問題だ。この判決は既に市民の宗教の自由を侵害している」と、アイダホ州のヘザー・スコット州下院議員は判決を覆すよう最高裁に求める法案を支持した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、必要なら西側への「予防的攻撃」開始も=前大

ビジネス

長期金利上昇、市場の先行き不透明感が意識されている

ビジネス

投資ファンドの3D、スクエニHD株を買い増し 14

ワールド

台湾で空襲訓練、中国ミサイル攻撃を想定 台北など一
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中