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韓国大統領選挙、最終投票率79.4% 一部では二重投票などのトラブルも

2025年6月3日(火)21時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

二重投票などのトラブルも

順調に投票が進んでいるなかで、一部の投票所では二重投票などのトラブルが発生していることが明らかになっている。

京畿道平沢市(キョンギド·ピョンテクシ)では同じ名前で投票が2回行われたことが確認された。平沢市の選挙管理委員会は今日(3日)午前10時40分ごろ、東朔洞(トンサクドン)にある投票所で30代の男性イ氏の名前で投票が2回行われたという。イ氏はメディアとの電話インタビューで、該当投票所を訪れ、投票人名簿を見ると、すでに別の人が自分の名前で署名し、投票を終えた状態だったと説明しました。選挙事務員が身分証を確認し、本人確認をして署名を受けなければならないが、この過程で不十分な点があったと見られている。

また京畿道安養市東安(キョンギド・アンヤンシ·トンアン)警察署によると、午前7時39分ごろ、安養市東安区達安洞(タルアンドン)の投票所で、有権者A氏の投票人名簿の投票用紙の受領人欄に、他人の署名が入っているという通報が寄せられた。A氏の投票人名簿投票用紙受領人欄には漢字で「朴」(パク)の字が書かれていたが、A氏の姓はパク氏ではなくA氏が該当署名もしていないことが確認された。

同じ投票所の管内にいるA氏と同名の人も、すでに事前投票を終えて、3日には投票所には来なかったことが分かった。この投票所は小学校の建物の2階に用意されているが、同じ建物の3階にもまた別の投票所があるという。つまり、一つの建物に2つの投票所があるのだが、選管委は建物の3階で投票をしなければならない誰かが勘違いして2階の投票所を訪問し、署名もやはり自分のものではなくA氏の受領人欄に誤って記入したものと判断している。A氏は現在投票をしておらず、選管委は事実関係を確認しているという。

前回イ・ジェミョンが敗れた故郷の安東は?

3日午前、慶尚北道安東市礼安面(キョンサンプクド·アンドンシ·イェアンミョン)の月谷(ウォルゴク)小学校三渓(サムゲ)分教場に設けられた「礼安面第2投票所」ではシンさん(90)がイ・ジェミョン(李在明)に投票したと明かした。

前回の大統領選挙でもイ·ジェミョン候補に投票したというシンさんは「(イ候補が)私たちの息子と友人関係」とし「この前残念ながら大統領になれなかった。今度は大統領になってほしい」と述べた。

前回の第20代大統領選挙では、ユン前大統領は7万1880票(67.84%)、イ・ジェミョン候補は3万870票(29.13%)を安東で獲得した。当時、慶尚北道23市·郡で最も高い得票率だ。特に、イ・ジェミョン候補の母校に設けられた礼安面第2投票所では、ユン前大統領よりわずか1票少ない108票、47.79%を得票した。

投票所が設けられた月谷(ウォルゴク)小学校の三渓(サムゲ)分校長は、イ・ジェミョン候補が小学校時代を送った母校だ。かつて三渓(サムゲ)国民学校だったここを1976年に卒業した後、イ候補は京畿道城南(キョンギド·ソンナム)に引っ越した。それだけに、この日、投票所を訪れた有権者の大半がイ・ジェミョン候補を高く評価した。

小学校で1年先輩だというキム・ジェホさん(63)は、「子どものころ、鼻垂れに茶目っ気たっぷりだったやつが大統領候補として2度も出てくるとは驚きながらも誇らしい」とし、「うちの村で大統領候補が出てくるということ自体が光栄だ」と話した。

また別の60代住民のイさんも「一生保守政党を選んできたが、変わったことが一つでもあるのか。故郷の人だから選ぶのではなく、今は変わらなければならないと考えイ·ジェミョンを選んだ」と明かした。

一方、イ・ジェミョン候補の司法リスクなど各種の問題を指摘し、「キム·ムンス(金文洙)国民の力」候補を選んだという有権者もいた。実名を明らかにすることを拒否したある男性は「故郷の人だという理由で不正に目をつむり投票するのは話にならない」として「清廉で腐敗のないキム·ムンスに投票した」と話した。

安東は第21代大統領選挙の最大関心地域だ。保守色の濃い地域だが、イ・ジェミョン候補の故郷でもあるからだ。

当確はいつ?

開票は午後8時30〜40分ごろ始まると中央選管は見ている。投票終了後、投票箱を全国254ヵ所の開票所に移送するのにかかる時間を考慮したものだ。

当選者については開票が7割程度進んだ時点で大勢が判明するとみられ、早ければ3日午前0時頃に出るものとみられる。第19代大統領選挙当時、ムン・ジェイン(文在寅)候補は夜10時頃に当選が有力だという報道が出た。一方、歴代最小票差を記録するほどの接戦だった前回の第20代大統領選挙では、ユン・ソンニョル候補は午前2時過ぎに当選確実が伝えられた。今回の大統領選挙でも得票率次第で、当選確実が出る時間が前後する可能性があるという。

報道関係ではKBS、MBC、SBSと韓国放送協会は放送局共同予測調査委員会を構成して出口調査を実施している。出口調査は午前6時から午後8時まで、全国325あまりの投票所で投票を終えた有権者約10万人を対象に実施され、これとは別に事前投票者予測のため1万1500人を対象に電話調査も実施し、補正値を適用する。

今回の出口調査が実際の開票結果とどれほど合致するかも関心事だ。 前回2022年の第20代大統領選挙では出口調査がユン・ソンニョル候補が48.4%を得票し、イ·ジェミョン候補(47.8%)を0.6%ポイント差で勝つと予測、これは実際の得票結果(ユン48.56%、イ47.83%)とほぼ合致した。一方、独自の出口調査を行ったJTBCは、イ·ジェミョン48.84%、ユン47.7%の得票と予測した。

出口調査の正確性と関連して、事前投票率の補正がどれほどうまく行われるかもカギだ。今回の大統領選挙の事前投票率(34.74%)は、前回の大統領選挙に続き、歴代2番目に高いからだ。JTBC、MBNなどのケーブル局は独自の予測調査を実施し、やはり午後8時過ぎに結果を公開する。

新たに選出される第21代大統領は4日朝、ノ·テアク中央選挙管理委員長が当選者決定を宣言すると同時に任期を始めることになる。

警察、朝6時から非常警戒態勢へ

警察が第21代大統領選挙の本投票日である3日、全国に「甲号非常態勢」を発令し、利用可能な警察官を総動員する方針を立てた。

警備非常段階の中で最も高い「甲号非常」は警察官の年次休暇が中止され、警察力100%まで動員できる。最近では2025年4月4日、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領んぽ弾劾審判の宣告によるデモ隊集結などの理由で、全国に機動隊338部隊2万人余りを配置し、そのうちソウル地域に60%を超える210部隊約1万4千人を投入する「甲号非常態勢」が発令された。

「甲号非常態勢」は、大統領選挙当日や大統領選挙前の1週間にわたってソウルあるいは首都圏の一部地域で、また外国首脳との会談など重要行事が開催される場合、行事地域にも発令されることがある。また災害によって被害が深刻な場合には発令することができ、最近では今年3月、韓国全土で同時多発的に発生した山火事に対して慶北警察庁が甲号非常態勢を発動している。

パク·ヒョンスソウル警察庁長職務代理は2日午前、ソウル西大門区美近洞の警察庁舎で開かれた定例記者会見で「(本投票日)午前6時付で甲号非常態勢を発令し非常勤務をする」と明らかにした。 続いて「ソウルの場合、(本投票)翌日が就任式なので、(就任式が)終わってから大統領が執務室に到着する時間まで甲号非常態勢を維持することで計画を立て、非常勤務をする」と述べた。

警察は全国4574の投開票所に警察1万800人を動員、このうちソウル市内には2260カ所の投票所に計4500人を投入する。 事前投票箱と本投票箱、居所投票など郵便物の回送にも武装警察4500人を支援し、選管と合同で警備する。 開票所25カ所には50人ずつ計1200人を配置する計画だ。 ソウル市内の麻浦·東大門·永登浦·江南など4つの圏域に機動隊を配置し開票が終わるまで秩序維持活動を展開する。

警察は4日正午ごろ、中央選挙管理委員会が当選者に当選証を渡した直後、大統領警護処に新任大統領の警護業務を渡すものとみられる。

一方で警察は2日、大統領選挙関連の選挙法違反者1891件、2100人を捜査し、70人を検察に送致し、8人を拘束したと明らかにした。 このうち金品授受、虚偽事実流布、公務員選挙関与、選挙暴力、不法団体動員など5大選挙犯罪で322人が取り締まりを受けた。

警察は大統領選候補暗殺·テロなど身辺脅威と関連して8件を捜査していると明らかにした。

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