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「トランプ2.0」で、アジアの未来はこう変わる

ASIA UNDER TRUMP 2.0

2025年2月7日(金)15時07分
練乙錚(リアン・イーゼン、経済学者)

「冷笑的な見方」が見落とすこと

こうした冷笑的な見方が見落としているのは、トランプのMAGA(アメリカを再び偉大な国に)主義は本質的に、自国の世界的優位性を脅かしかねない競合相手を嫌悪するという事実だ。アメリカの優先事項や懸念を率直に再表明したルビオの発言は、アジアの同盟国の不安緩和のために必要だった。これらの国々は、自分たちを交渉材料にして、アメリカが利己的な取引を中国と結ぶことを不安視していたからだ。

ただし「トランプ2.0」は、アジアの同盟国にとっていいことずくめではない。少なくとも、対米貿易黒字が大きい国の場合は。MAGA哲学の一角を占めるのは重商主義であり、輸入関税を武器にして、押しの強さが目立つ貿易相手国にしっぺ返しをすることをいとわない。


トランプの関税措置の直近の目標は、輸入相手国から間接的な形で純歳入を得ることと、外国企業に米国内生産を促すことだ。輸入品に税金を課せば、価格圧力の上昇を招くとの批判は的外れではない。だが、外国企業が関税を回避するため米国内に生産拠点を構えれば、アメリカの供給力が拡大することになり価格上昇圧力は弱まる。現に、TSMCやサムスン電子は米国内に半導体工場を建設中で、ソフトバンクグループやサウジアラビアなどは1000億ドル単位の対米投資を約束している。

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