最新記事
米政治

不法移民の強制送還に「軍を動員」示唆するトランプ、そのとき何が起こるのか

2024年12月1日(日)16時35分

州兵が州知事の指揮下で活動する場合は、たとえ支援の任務を超えて積極的な治安維持に携わる場合でも、民警団法による規制の対象とはならない。

第1次トランプ政権は2020年、ミネソタ州での警察によるジョージ・フロイドさん殺害事件への抗議行動に対処するため、首都ワシントンで州指揮下にある州兵を動員した。

ただし、州知事は州兵の動員を拒否することができる。カリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官(民主党)はロイターに対し、ある州の州兵を別の州に派遣するのは「危険な状況」だと語った。

ボンタ州司法長官は、「カリフォルニア州はもちろんそうした動員には応じないし、そのような状況に対応するために、既存の対抗策をすべて検討するだろう」と述べた。

州知事が自州の州兵の派遣を拒否した場合、トランプ氏は、民警団法のもう1つの例外である反乱法を発動することが可能だ。

兵士に法の執行権限を与えるという反乱法を発動するにはいくつかの条件がある。公共政策を研究する左派系のニューヨーク大学ブレナン司法センターによれば、米国史上、反乱法が発動された前例は30回ある。

そして、州知事の側からトランプ氏に対して、反乱法の発動が要請される可能性もある。1992年のロサンゼルス暴動では、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領がこの要請を受けた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ「戦争に勝てると思えない」

ワールド

トランプ氏、中国と公正なディールに期待 豪に潜水艦

ワールド

EU、ロシア産エネルギー輸入停止へ 28年1月まで

ワールド

米、ガザ停戦維持に外交強化 副大統領21日にイスラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 7
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 8
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 9
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 10
    トランプがまた手のひら返し...ゼレンスキーに領土割…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中