B29の発進地「原爆の島」が再び動き出す...米軍が太平洋で進める、新たな「対中国戦略ミッション」とは?

A NEW MISSION

2024年10月23日(水)16時16分
ライアン・チャン(在香港ライター)

「台湾は中国領土の不可分の一部」であり、台湾の状況は中国の「国内問題」だと、劉は主張する。アメリカは「台湾海峡の緊張を高めかねない要素をつくり出すことをやめる」べきだというのだ。

9月半ばには、米中の国防当局が北京で協議を行った。中国側によると、このとき米中は、両国の軍事交流と共通の関心事について突っ込んだ話し合いをしたという。


米国防当局の高官は、米中の関係に影響を及ぼすアメリカの関心事について率直な対話を行ったと述べている。「熾烈な競争関係ではあるが、その競争を責任のある形で管理し、紛争に発展させないことを真剣に目指している」と、この高官は語る。

中国とロシアはアメリカの安全保障にとって脅威だが、いずれかとの戦争が「避けられないわけでもないし、差し迫っているわけでもない」というのが米国防総省の立場だ。

しかし、戦域司令官たちは、最悪のシナリオに向けた準備を続けている(米軍インド太平洋軍司令部は、本誌の書面による取材依頼に返答していない。北マリアナ諸島知事のコメントも得られていない)。

この7月には、インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官がテニアンを訪れた。

米軍によると、訪問の目的は、アメリカが「国土防衛に真剣に取り組み続けていること、そして太平洋の共通の歴史を尊重していること」を示すことにあった。このときパパロは、テニアンのノースフィールドの再整備を監督する空軍工兵部隊と面会している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

欧州委、米の10%関税受け入れ報道を一蹴 現段階で

ワールド

G7、移民密輸対策で制裁検討 犯罪者標的=草案文書

ワールド

トランプ氏「ロシアのG7除外は誤り」、中国参加にも

ワールド

トランプ氏、イランに直ちに協議呼びかけ 「戦いに勝
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中