苦悩増すゼレンスキー大統領...戦争は「素人大統領」をどう変えたのか
EU高官は「ゼレンスキー氏は、ウクライナが何を必要としているか、我々が何をする必要があり、さもなければどのような結果に直面するかを15回は繰り返し、諦めない」と語る。
別のEU当局者は、ゼレンスキー氏が西側諸国に対するいら立ちを強めていると指摘。必要不可欠な同盟国との関係を悪化させないよう「慎重に行動する」ことを勧めると述べた。
ロイターの取材に応じた2人のEU当局者によると、ゼレンスキー氏が外国当局者との会合や電話会議の場で同じメッセージを力説し、自らの大義を辛抱強く訴えているという。
しかし最近、国際支援を集めロシアを孤立させることを狙ってスイスで開催された「平和サミット」以降、その論調に微妙ではあるが注目すべき変化が現れた。ゼレンスキー氏は戦争の公正な決着が緊急に必要であると強調し、今年後半に開催する2回目のサミットにはロシア側代表を招く可能性についても口にした。
ゼレンスキー氏は6月28日、スロベニア大統領との会談の後、「私たちはこの戦争を長引かせることは望んでおらず、できるだけ早期に公正な平和に到達しなければならない」と語った。
昨年、リトアニアの首都ビリニュスで開催されたNATO首脳会議に向かう途中、ゼレンスキー氏はNATOへのプレッシャーを強めようとして、加盟に向けた時間軸が提示されないのは「ばかげている」とNATOを批判した。
NATO加盟というゴールは相変わらず不透明なままだが、今月ワシントンを訪れたゼレンスキー氏はそこまで攻撃的ではなく、大統領首席補佐官は、同氏が今回の訪米の結果に満足していると述べた。
ゼレンスキー氏自身は、例外的な状況下でウクライナの指導者としてどう行動してきたかに関する質問を避けてきた。
大統領就任から5年が経過するのに合わせてキーウで行われたロイターのインタビューで、「自分の行動を評価することはできない。あまり倫理的ではないと思う」と述べた。「私はウクライナ大統領であることを誇りに思う。これがこの5年間の私の姿勢だ」
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