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日本社会

日本女性が子育て後に正規雇用に復帰するチャンスは依然として閉ざされている

2024年3月13日(水)11時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

他国も同じかというと、そうではない。<図2>は、フルタイム就業者の割合を年代ごとに出し、線でつないだグラフにしたものだ。日本を含む主要6カ国のカーブが描かれている。

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日本だけが明瞭な右下がりになっている。年齢を上がるにつれ女性はフルタイム就業(正規雇用)から退き、復帰のチャンスもない。サンプルが少ない標本調査なのであくまで参考だが、日本の特異性が注目される。

未婚女性が希望するライフコースで最も多いのは、家のことと仕事を両立する「両立型」だが、現実の予想としては「非婚就業継続型」が最多だ(「子どもは欲しいがワンオペはきつい...非婚就業に傾く日本の女性の理想と現実」2024年2月7日、本サイト掲載)。言い方はよくないが、結婚による損失を意識してのことだろう。

女性の高学歴化が進んでいることもあり、キャリアの断絶や減収といった「損失」は、昔に比べてより強く意識されるようになっている。これを回避するには、男性の家事・育児分担率を高めなければならない。未婚化・少子化に歯止めをかけるには、ジェンダー平等の視点が求められる所以だ。

<資料:総務省『国勢調査』
    「ISSP 2020 - Environment IV」

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