最新記事
韓国政治

韓国国家安保室長、突然の辞任はユン大統領訪米時のBTS公演失敗のため?

2023年3月31日(金)18時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
BTS

昨年5月にバイデン米大統領に招かれてホワイトハウスを訪れたBTS  LEAH MILLIS - REUTERS

<安全保障のトップ辞任の背景にK-POPアイドルがいた──>

3月29日、韓国尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の側近である金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長が、辞任を申し出たと明らかにした。ユン大統領の国賓としての訪米を来月に控えるなかでの突然の辞任発表に韓国政界にはさまざまな憶測が飛び交っているが、その一つとしてK-POPグループの存在が急浮上している。ニュース1、韓国経済など韓国メディアが報じた。

NSC委員長も兼任する安全保障のトップ、突然の辞任

韓国国家安保室は大統領府にあって国家安全保障を統括する部門だ。室長は閣僚に準じた公務員であり、国家安全保障会議(NSC)常任委員会の委員長も兼任。韓国の安全保障のトップオブトップというべき存在だ。

北朝鮮がICBM級のミサイルを発射し地域の安全保障を脅かすなか、4月末にはユン大統領が李明博(イ・ミョンバク)以来12年ぶりとなる国賓として訪米するなど外交、安保の重要なスケジュールが続くところでの突然の安保室長辞任の発表で韓国政界には報告漏れ説、軋轢説など様々な解釈が出ている。

対日政策への国内世論の反発も影響?

実は大統領府では、今回の予兆ともいうべき事件が起きていた。ユン大統領の訪日を挟んで、儀典秘書官と外交秘書官が相次いで辞任している。

また、訪日後に対日関係改善への世論が芳しくないため、閣議の冒頭20分あまりにわたってユン大統領が自ら国民へ対日政策について説明することになり、大統領は参謀らを叱責するひと幕があった。こうした一連の問題についてキム安保室長は大きなプレッシャーを感じていたという。

バイデン夫妻がK-POPの公演を熱望?

そしてもう一つの報告漏れ説として大きく取り上げられたのが、ユン大統領の訪米スケジュールをホワイトハウス側と調整する中で出てきたK-POPアーティストとレディー・ガガによる合同公演問題というものだ。

これはバイデン大統領とジル・バイデン夫人がK-POPアーティストとレディー・ガガなどが出演する文化プログラムを提案し、駐米韓国大使館が確認の書簡を5回も送ったが、安保室側が回答を先送りし、さらにユン大統領に報告すらしていなかったという問題だ。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、記者殺害でサウジ皇太子を擁護 F35戦

ビジネス

ワーナー、買収案1株30 ドルに上げ要求 パラマウ

ワールド

再送-柏崎刈羽原発の再稼働是非、新潟県知事「近いう

ビジネス

塗料のアクゾ・ノーベル、同業アクサルタと合併へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中