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米スマート・バイブレーターはどこまで賢いか

2017年8月18日(金)18時00分
アビゲイル・ジョーンズ

治療用と個人用を合わせたバイブレーター市場は数十億ドル規模に達する。英市場調査会社テクナビオによれば、2015年のアメリカでのセクシャルウェルネス製品の市場規模は61億3000万ドルで、2020年までに97億5000万ドルに達する見込み。2015年の大人の玩具の割合は、セクシャルウェルネス製品全体の半分近くを占め、27億7000万ドルに上った。最近の玩具は形状もサイズも色もあらゆる品揃えがあり、どんな嗜好や願望も満たされる。

ヒステリーにもバイブレーター?

ここに至るまでは長い道のりだった。大人の玩具が初めて登場したのは1860年代後半から1870年代にかけて、ジョージ・テイラーというアメリカ人医師が蒸気で動くマッサージ機と、机のバイブレーターで特許を取得したのが始まりだ。その後、1880年代にイギリス人医師のジョセフ・モーティマー・グランビルが、重さが18キロもある電池式バイブレーターを発明した。20世紀に入るとバイブレーターは、ミシン、扇風機、湯沸かし器、トースターに続いて、電気を使う5番目の家電製品になった。当時のバイブレーターは、ヒステリーの発作から失神、婦人科疾患、不安まで、女性が抱える健康上の問題を解決する万能薬とみなされていた。しかもそのほとんどは、見た目からして快楽からは程遠く、むしろ破壊の道具のようだった。

【参考記事】性科学は1886年に誕生したが、今でもセックスは謎だらけ

1920年代までに、女性誌や家族向けの出版物は「あらゆる苦痛を取り除き、病気を治せる」とバイブレーターの万能さを積極的に宣伝し始めた。1968年に日本の日立製作所が重さ約0.6キロ、長さ30センチの個人用マッサージ器「マジックワンド」を発売したところ、性玩具として大ヒットした。

かつてアメリカ人がこっそり隠し持っていたバイブレーターは、ここ20~30年間でついに日の目を見るようになった。1989年に公開された映画『恋人たちの予感』では、主演女優のメグ・ライアンはニューヨークのダイナーで仰々しくオーガズムに達したふりをして、店内の空気を凍らせた。その直後、近くのテーブルにいた年配で白髪交じりの婦人が注文を取りに来たウェイターに「彼女と同じものを頂戴」と言ったセリフは、快感を求めるのは若者だけでないことを私たちに思い出させてくれた。

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