最新記事

朝鮮半島

北朝鮮、「太陽節」軍事パレードで新型ミサイルを披露

2017年4月15日(土)21時56分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

15日北朝鮮はICBMとみられる新型ミサイルを公開した REUTERS/Damir Sagolj

<核実験をめぐり軍事的緊張が高まるなか、北朝鮮は15日、建国の父、金日成の生誕105年を祝う「太陽節」の日を迎えた。毎年この日に行われる軍事パレードで、金正恩は米国本土も攻撃可能なICBMと思われる新型ミサイルを登場させた>

北朝鮮は15日、平壌の金日成広場で行った歴代最大規模の軍事パレードで、これまで公開していなかった発射管に掲載された形のミサイル2基を公開した。

韓国メディア聯合ニュースによれば、閲兵式では新型ICBMのほか、過去に北朝鮮が公開したKN -08、KN -14など、米国を攻撃することができる能力をもつと推定される最大3種類のICBMが同時に登場した。これは先制攻撃を排除せず、北朝鮮を軍事的に圧迫しているトランプ政府に徹底抗戦するというメッセージを発信したものとみられる。

【参考記事】北朝鮮に対する軍事攻撃ははじまるのか


「太陽節」での軍事パレードのもよう  (c) YTN / YouTube

また、韓国メディアNEWS1は軍事専門家の分析として、発射管の長さと直径から、新型ミサイルである可能性が高いとみており、少なくとも5000㎞を飛行することができるものと推定していると伝えた。

自主国防ネットワーク代表のシン・インギュン氏は「今日新たに公開されたミサイルは外見だけ見れば、全長や全幅でいえば、試験発射に成功した北極星-2型よりもはるかに長い。少なくとも5000キロ以上の射程を保有したミサイルと推定される」とみる。

【参考記事】「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民の本音

北極星-2型は北朝鮮が今年2月12日に発射した固体燃料ベースの新型中距離ミサイル(IRBM)だ。北朝鮮が初めて地上で固体燃料を使って発射した新型ミサイルで、射程2000〜3000キロの中距離ミサイルと見られている。当時、韓国情報当局は北極星-2型ミサイルを、ICBMの初期開発段階だと分析した。

チャン・ヨングン航空大学教授は15日に公開された新型ミサイルについて「固体燃料をベースに北極星-2型をアップグレードした北極星-3型と見ることができる」と分析している。

チャン教授は「北極星-3型ということは、米国本土を打撃できるということを示すものだ。固体燃料をもとに、今日公開されたような長さと直径に増やすことは大変難しい技術が必要だ」とも語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「気持ち悪い」「恥ずかしい...」ジェニファー・ロペ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中